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 キャンディ (BOOKPLUS)/テリー・サザーン

人を愛し、平和を愛し、誰より純粋無垢な女子高生、キャンディ・クリスチャン。聖ヴァレンタイン・デイに生を受け、まさに天からの贈り物を思わせる、とびっきりの美人ときてる。そしてますます魅力的なことに、彼女はいつも、どこかヌケてる。というわけでキャンディの行く先々どこでも誰でも─教授も医者も叔父さんも、せむし男も偉大な教祖も、とにかくみんなが彼女の虜。誰もがキャンディとヤリたいと奮闘するが、あと一息のところでお決まりの失敗。自らが招くオトコたちの災難に、キャンディはがっくり嘆く─
「あーあ、どうしてこうなっちゃうんだろう」
いつの日かキャンディに、平穏で幸せな日はくるのだろうか・・・!?
『イージー・ライダー』の名脚本で知られ、絶大な人気を博したテリー・サザーンの空前絶後のエロティック・コメディ。世界中で話題を呼び、日本でも刊行当時30万部以上のベストセラーになった傑作、大幅改訳にて待望の最登場!
─カバーより


というわけで、感想を書くのがバカバカしいような中身。映画的な面白さはあるけれど、キャンディとエッチするために、愚にもつかない大義名分を並べ立てるオジサンたちには、ただただ呆れる。

登場人物は皆エッチで頭がおかしい人ばかりじゃないかって感じなのに、ネルスン・オルグレンの「セックスとユーモアを融合するのは至難の技だ。しかし、『キャンディ』はユーモアを風刺の境地にまで研ぎ澄ますことによって、それに成功している」という批評は、そこまでのものかぁ?という感じ。そりゃ、おかしい部分はあるけれど、どこが風刺なんだろう?風刺もの好きの私としては、納得のできない批評だ。

「ユーモア」というのも、よくある「ユーモア=エロ」と勘違いしているような類。現代においてはものすごくエッチという描写ではないし、面白くないというわけではないけれど、スラップスティック的なドタバタはちょっとうんざりかも。

今回大幅に改訳したとあったが、前に読んだときとイメージは全く変わらない。どうせなら翻訳者も新しくすればよかったのに。ともあれ、なんにも考えずに読み飛ばすにはいいんじゃないの?って感じ。

そもそも昔の作品をBOOKPLUSで出すのは主旨が違っている。「新しい才能を持つ若い作家を世界中から発掘し、紹介していきます」というのがBOOKPLUSの主旨だ。結局は、今夏、映画がリバイバル上映されるというので、それに合わせて見境なく、こんなことしちゃったんでしょうね。



2003年05月12日(月)
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