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■ 黄金の林檎/ユードラ・ウェルティ
本書『黄金の林檎』は1949年に The Golden Apples として出版された作品であるが、実はこれはウェルティーが過去2年余りの間に別々に出版した7編の短編小説を1巻にまとめたものである。 この作品は、「ノヴェル」と「ショート・ストーリー」というジャンルの柵を越えた、画期的な形式を持つ作品となっている。
これら7編の話は、深南部ミシシッピ州の北西部、デルタと呼ばれる地方の、モルガナという架空の小さな町に住む人々に、1900年代から40〜45年くらいの間に起こったいくつかの出来事を扱っている、という共通点がある。モツガナという地名は、作者によれば「ファタ・モルガナ」─ケルト神話の妖精女王モルガン・ル・フェイの作り上げた「海上の蜃気楼」の意─から取ったということである。すなわち第一話の語り手フェイト・レイニー夫人の語りが醸し出した、幻影の町とも解釈できる。そうすれば最終話が彼女の死とそれに係わる出来事で終わるのも、意味あることに思われる。 ─作品解説:ソーントン不破直子(訳者)
さて、ユードラ・ウェルティの『黄金の林檎』を読み終えたのだけど、なんかねー、やっぱり私は短編は向いてないんでしょうか。でも、ウェルティは後期に授業でやるよと南さんも言っていたので、途中で投げるわけにもいかず、なんとか読了したものの、う〜ん・・・て感じ。詳しい感想は、あとで読書記録に書くとして、短編なのに全部繋がっているという面白い形ってことはわかるんだけど、そのウェルティ独特の世界に入り込めない。やっぱ翻訳のせいなのかなあ?
ところが、この本のタイトルに「新訳」とある通り、「旧訳」があるわけで、しかも出版年月日が1年しか違わない。その理由がこの本のあとがきで述べられているのだけど、すごいことになってる。つまり、旧訳がとんでもないので、見かねて新訳を出したとはっきり書いてあるのだ。ここは誤訳だ!というのも明示しているし、この訳者のソーントン不破直子さんというのは、よほど自信があったんでしょうねえ。版権の問題とか、どうなってるんだろう?と、肝心の中身より、こっちの問題のほうが興味深かったりして。
でも、旧訳のほうは知らないし、ソーントンさんの訳は正確なのかもしれないけど、なんか面白くないんだよねえ。あとがきも、「私は杉山さん(旧訳のほう)と違ってユードラと仲良しなのよ!」って感じで、ちょっといただけないんだなあ。。。(^^;
2003年04月27日(日)
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