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■ 最後の瞬間のすごく大きな変化/グレイス・ペイリー
村上春樹訳なので、ずっと見向きもしなかった『最後の瞬間のすごく大きな変化』を読んだ。
なんか、日本語が変だ。 そもそもグレイス・ペイリーの文体は難しいらしい(内容はけして難しくない)のだが、結局訳し切れなくて、柴田元幸さんに手伝ってもらったらしい。アーヴィングの『熊を放つ』と一緒。とりかかって途中で無理とわかると、柴田さんにおしつけちゃうのよねえ。何が何でも話題の作家を訳したがるってのは、やめてほしいなあ。春樹はそもそも翻訳家じゃなくて、作家なんだし。でも、ううう〜ん、感想の書きようがない。(--;
しかし、これを柴田さんが訳していたら、どうだったかなあ・・・と思わずにはいられない。もちろん途中からは柴田さんが手伝っているわけだけど、柴田元幸訳として出るのと、村上春樹訳として出るのでは、おのずと手伝うほうだって、翻訳に対する心がまえが違うだろうし、見解の相違があっても、一歩引くのは間違いないだろうと思う。
で、巻末にある解説というかあとがきは、作品や作家に対する解説に終始しているのではなく、ほとんど「僕は・・・」という村上春樹中心の内容である。
「あ、そう、あなたが翻訳してくれるんだ。ふうん、がんばってよね」と言って、持参した本にサインをしてくれた。
てな風で、グレイス・ペイリーにしてみれば、とんだ災難じゃないのか?と気の毒になった。本書について書かれているのは、巻末も巻末、最後の1ページ程度だ。そんなわけで、嫌だなあ・・・と思いつつ読んでいたので、内容もすっかり飛んでしまった。
この本、買おうと思ってAmazonにオーダーしかけたのだけど、図書館にあったので買わずに済んでよかった。まじで!
ちなみに、個人的にはカポーティの村上春樹訳(イノセントシリーズ)は好きだ。つまり、たまたま作家の個性に春樹がはまったということだろう。かといって、イノセントシリーズ以外は、お願いだから手を出さないでほしい。
2003年04月21日(月)
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