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 メール(B+)/マメヴ・メドウェド

<カバーより>
カティンカ・オトゥールは、バツイチの31歳。小説家としてモノになるために、孤軍奮闘中の彼女の一日は、郵便配達で始まる。小説の採用通知を、のどから手が出るほどに待って暮らす毎日だが、うれしい知らせは来たためしがない。無常な現実にくじけそうになるカティンカに、さらに追い討ちをかけるのが、「早くいい人見つけなさい」攻撃を繰り広げる母親と、別れて9年たった今でも彼女を我が物扱いする、嫌味な有名大学教授の元夫。そんなある日、ハンサムなメールマンに一目惚れしてしまったことから、彼女の人生は、ゆっくりと、でも確実に動き始めた!

「共感度100%のガールズフィクション!」などとあったので、ブリジット・ジョーンズの日記ばりの、明るくて面白い話なのかと思ったら、意外にも暗い。というのも、この作家が真面目すぎるのだろうか?笑えるところで笑えない、くそ(失礼!)真面目なところが目に付く。つまり、BJと違って、主人公を笑いものにすることのできない作家だ。不幸や失敗を笑いのネタにできない作家なのだ。そういうのは、あまり共感できない。

話のほうは、学歴主義の母親が、自分のスタイルを崩さず、どんどん恋愛をしているのに、「学歴なんてなによ!」と言っているカティンカのほうが、本当の恋愛を見つけられずにいる。なぜなら、そういいつつも、彼女もまた母親と同じ価値観を持っているからだ。

恋したメールマンは、ハンサムでスイートでセックスも上手なのだが、頭の隅に母親と同じこだわりがあって、その恋愛に没頭できないのだ。メールマンを好きである理由を述べるところなどは、そのこだわりを否定しようとする言い訳にしか聞こえない。

よんどころない事情でメールマンと別れ、最終的には自分の価値観に合った相手に出会うのだが、やっぱりね、という相手で興ざめ。


2002年09月07日(土)
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