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■ ¥999(B+)/フレデリック・ベグベデ
<著者のことば> 「この小説には現代広告の脅威の世界が描かれている。それは、要りもしないものを、買う金もない人間に欲しがらせるため、何十億フランの金が遣われる世界。これは僕等の社会についての本だ。あなたの社会、僕の社会、広告業界に在籍した十年で個人的に貢献しでっちあげてきた社会、無力さにほぞをかみつつも僕等みんなでのさばらせてきた社会についての本だ」
何を言ってるんでしょーか。全然わからないでしょう? コマーシャルとかの世界って、それはそれはバカバカしい世界なのだ。この本を読んで面白いと感じる人は、そういった世界を実際に知っている人たちではないだろうか?かく言う私もその一人なので、ベグベデの言いたいことはよくわかる。
しかし、コマーシャルとかクリエイティブな業界ってカッコイイ!などという幻想を持っている人には、なんのことやら???じゃないだろうか?つまり、「内輪ネタ」をばらして、「内輪うけ」しているといった感じなのだ。
ベグベデはもともとコピーライターだから、おや!と思う言葉の使い方をしている部分もあって、それはそれなりに素晴らしいと思えるが、物語として、本としては、結局コピーライターであることが災いして、長文はやっぱりダメかな?という感想。
こんな世界、いや!と思っていた世界が、そのまま包み隠さず描かれているといった意味では、喝采を送ってもいいかもしれないが。
2002年09月04日(水)
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