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 わたしが私になる方法(BOOK PLUS)/サリー・ワーナー

<カバーより>
わたしの名前はカーラ・ビッグス。わたしには秘密がある。先生も友達も知らない。離れて暮らすパパも知らない。わたしのママは病気だ。・・・精神病、っていうのかな。ろくに食事もせずに、長いこと外へも出ていない。パパがいなくなってから、ずっとそうだ。昔は楽しかった。パパが、ママが、家族がひとつだったころ。子犬のフェザーがいてくれたころ。でも、そんな日はもう戻らない。けれど、わたしはだいじょうぶ。だれにも頼ったりしない。ひとりで生きてゆける。大好きな『青いイルカの島』の主人公のように、なににも負けずに自分の足で生きてゆくんだ─。

とある木曜日。その1日を主人公カーラが、それまでの思い出を織り交ぜながら語る。六年生のカーラの母は精神病で、その母親の面倒をたった一人で見ている。誰にも言わずただ一人、時折『青いイルカの島』の世界に入り込み、本当の自分と違う自分との境を行き来する。学校で何を言われようが、秘密を守り通そうとするカーラ。ときどき母親が嫌いになるが、そんなことはない!と言い聞かせて、父親にさえも何も言わない。母親が精神病院に連れていかれてしまうのが怖かったのだ。その木曜日の3週間後、母親はとうとう精神病院へ。

う〜ん、内容を書いてしまうと、これでおしまいって感じ。そういうことなのかってだけで、確かにカーラの心を思うと切ないのだけれど、それ以上の感想は出てこない。だいたい父親は精神病の母親と娘を残して、どうして出て行ってしまったんだろう?姿をくらましたわけではなく、別の土地で働いているらしいのだが、このあたりの状況が何も書いてないので、よくわからない。

翻訳はまた金原瑞人氏。最近、この手の本はみんなこの人の訳で、しかもみんな同じ調子。またか!という感じでうんざりだ。今回は共訳になっているので、お弟子さんにでも訳させたのだろうか?だったらもう金原氏の名前は出さないほうがいいんじゃないかと思う。母親が狂っていくあたり、『サラ、いつわりの祈り』に似ていると思ったが、それもやっぱり金原氏の訳だったからだ。


2002年07月08日(月)
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