|
|
■■■
■■
■ ジェマイマ・J(BOOKPLUS)/ジェーン・グリーン
100キロ近い巨体のジェマイマが、約45キロもの減量に成功し、見違えるほど美人になって、意中の男性を射止める話。思わず、無理だあー!と叫びたくなってしまうような、短期間のダイエット。こんなことしたら絶対体に悪い!痩せてるってそんなにいいことなの?と悲しくなってしまう。
いや、ダイエットが悪いというのではないけれど、この話、やっぱり太ってる君のほうが好きだと言われるオチならともかく、痩せてきれいになった途端に、目の色を変えて「愛してる」なんて言う男が信じられない。もちろん、その前から性格は気に入られていたようだけど、もし太ったままだったら、ハッピーエンドはなかったのだろうか?
登場する男は皆、美人にしか目がいかないし、ジェマイマのように性格がよくても太っていると、身の置き場がないなんて、そんな世の中どうかしてる。ジェマイマの痩せたい気持ちもよーくわかるけど、ハンサムでカッコいい男ばかりが、いい男というわけじゃないし、ありのままの自分を受け入れてくれる人だっているはず。むしろそういう男のほうが、絶対に信用できるんじゃないだろうか?
なんとも悲壮感が漂ってしまって、読んでいて辛くなる。翻訳のせいかもしれないけれど、『ブリジット・ジョーンズの日記』のようなユーモアもなく、評判とはうらはらに、私的にはあまり楽しい話ではなかった。
心を許せる女友達、恋愛のハウツー本、キャリア、ダイエット、うるさい母親など、ほとんど『ブリジット・ジョーンズの日記』と同様のテーマが揃ってはいるものの、それら全てが、なんだか悲しい。付け加えて、途中にはさまれているアメリカ男とのエピソードもかなり変だ。これは、作者のアメリカ人に対する偏見(憧れ?)ともとれる。ロスの住人の描写などは、まるで日本人はまだチョンマゲをしているという認識と同じくらいに、誤解しているんじゃないだろうか?ロスに住んでいたって、みんながみんな、ハリウッドスターじゃないって!
2001年08月04日(土)
|
|
|