ほうじ茶飲話【JOYWOW】
2003年07月15日(火)
甦る声
30歳になりたての頃だったか、近しい年配の女性に言われたこと。
『誰しもみな、魂にクラスがあるの。 この世にあなたの命が誕生したその時から、 あなたの魂はすでに階級が決まっているのよ。 自分より下のクラスに行くことはとても簡単なことなの。 スルスルといともたやすく降りていくわ。 でもね、元に戻るには大変な努力と時間がかかるの。 それは本当に並大抵のことじゃないの。 ・・・覚えておいて。自分の魂のクラスを忘れてはだめ。 いつも魂に確認をすることよ。心の声を聞きなさい』
ゆっくりとした声で、淡々と、まっすぐに瞳をみつめられて 一語一語を区切りながら話された。 彼女はすこし数奇な運命を辿ることになったせいで、 人に見えないものが感じられたりすることはあったけれど、 宗教家でもなく仕事を持ったこともない普通の主婦だった。
あの当時、私がNYに渡るために最後の一押しをしてくれた人。 彼女のこの声は、時々に私の胸に甦る。 今はどうしているのか、消息は知れない。
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