『パッチギ!』を観る

 「寝ましょう」「おやすみ」と云って切ったメッセンジャー。
 でも実はもう四日くらい、まともに眠れない。
 睡眠薬が効かない。困るほど効かない。
 夕方にうとうとと二三時間ほど居眠りしては悪夢で飛び起きる、そんな感じ。
 偏頭痛と眩暈は恐らく寝不足に因るものではないかと。
 でもキツイ。これがキツイ。
 座っていても横臥していても、視界が世界がブレる。
 映画を観ている間など、演出かと勘違いしたくらいですから。



 しばらく動かなかった所為だと思いたくて、仙台フォーラムで『パッチギ!』(井筒和幸監督/2004年日本)を。ムリヤリです、もう。
 どうにもあまり巧くない映画なのですが、40年ほど前の在日コリアンの描写に嘘はなく、その点では実に興味深く面白かった。
 私は最後の学ラン世代で、高体連の試合にはまだ出れませんでしたし、同級生の学ランの裏地はやはりあんな感じでした。乱闘や親善サッカーなんかは、子供の頃に聞いた先輩たちの武勇伝そのまま。朝高生のハングリー精神が最も強い時代だったンですよね。
 しかしなぜいま、と思わなくもない。
 かつて河は確かにあった。いまも決してなくなったわけではないけれど。
 なぜいまになってそれを殊更に取り上げるのだろう。
 あまり巧くないながらも魅力的な登場人物、魅力的な描写でありましたが。

 ああ、私は常に映画に対して無力ですから、「なぜ」という問いも、答えを得ることのないやはり無力な問いなのでございます。
 そしてやはり眠れないのでございます。
2005年03月08日(火)

メイテイノテイ / チドリアシ

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