再び『イノセンス』を。

 年度末で決算の準備に入らないといけないし、やるべきことはベラボウにあるのですが、今日もまた残業を「中抜け」してシネアートで『イノセンス』を。
 埋め合わせとして終電まで頑張ったからヨシとします。


 前回は口をポカーンと明けて、ただただバトーにシンクロしながら観ていたのですが、今回は幾分気持ちを落ちつけて。
 それでも終始鳥肌がたっていましたけれど、いや〜面白い!
 中盤までの退廃的で緩やかなテンポが心地いいし、クライマックスにかけてキリキリと引き締まる感じもいい。
 今回提示された「人間はなぜ自分の似姿を造ろうとするのか」というひとつのテーマは、ハラウェイ、そしてキムとの対話を経て緩やかに展開してゆく。ラストシーンは実に印象的です。


 影像は確かに「スゴイ」のですが、「スゴイ」3DCGと「スゴイ」セル画の「切り替わり」部分に違和感を感じることはありました。
 すべてが「演出」ではないと思うので、処理技術の問題だろうか。やはりワタシには技術的なことはよくわかりません。


 「スゴイ」セル画背景から人物が浮いている(実際発光しているンですが)のも少し気になるといえば気になるのですが、しかしそれは決してマイナス材料ではなく、うーん、なんというか。
 人形は人間に似れば似るほどその死を強調する、という(主旨の)ことばをどこかで読んだことがあるのですが、バトーやトグサは「リアル」ではないからこそ、「生きて」いるのかも知れない、などと思ったりするンです。
 3DCGにしろ2DCGにしろ、実際に描いて造らなくてはいけないアニメーションというのは、紛れもなくすべてが虚構だからこそ、「生きて」いるのではないか、なんてね。
 うーん、どうにもまとまりません。
 サテ、次はいつ観にいこう…。
2004年03月29日(月)

メイテイノテイ / チドリアシ

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