眼を瞑ろう

 最近あまり飲んだくれていない分(ほんとか?)、読書に割くお金と時間が増えてきたように思います。
 というわけで、「ヤフオク」で中古本を数冊購入。
 東口には図書館はあっても本屋がない。なかなか本屋に行くことができない身には、非常に便利な媒体です、あれは。
 しかしチョーシに乗った落札者によって、次々と届けられ部屋を埋め尽くそうとする本は、今月だけで既に数十冊。物置が専用書庫になりつつあることに常々不満気味だった母上の視線も鋭利さを増してこようというもの。
 や、買ったからには読みますヨ…いつかは。


 物心つく頃から、母上は働いてあまり家にいませんでした。
 母子家庭というだけでも大変なのに、二人の子供を公立学校の倍の学費がかかる民族学校に12年間通わせるのは並大抵の苦労ではなかったでしょう。
 だからといって民族学校に行ってヨカッタ!とは、未だに思うことができない不孝者ですが、母上には感謝しています。
 
 ま、そんなわけで、仕事を辞めて余暇を得た母上に、これまで家族として同居しながら見えなかった一面というのがあることを知りました。
 この数ヶ月で、家中が緑に侵食されつつあります。
 玄関、トイレ、台所、風呂場、居間、階段、と、次々に増えてゆく、私には名前もわからん緑、緑、また緑。
 春になれば、きっと庭も侵食されてゆくのでしょう。
 母上にこんなシュミがあったとは。

 仕事をやめてからの母上は、のんびりとこのシュミを楽しんでいるかに見えます。私の収入だけではあまり裕福な暮らしとは云えません。けれどもあのとき、母の決断を促したことはやはり間違いではなかったのでは、と思うのです。
 そう思いたいだけなのだろうか。


 頑張って働くからさー。
 多少のシュミくらい、眼を瞑ろうゼ、お互い。


 でもTVの上の植物だけはどけてくンないかなぁ…。
2004年01月30日(金)

メイテイノテイ / チドリアシ

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