「ラストサムライ」をまた観る。

 妹に付き合って、MOVIX仙台で「ラストサムライ」を。
 二度目ということもあり、幾分冷静に観れたので気付くことも多く。
 一度目に観たときに感じた違和感の正体が、おぼろげながら見えてきたように思います。



(スミマセン、以下は映画を観た方だけ読んでください)



 ンー、脚本、なのかかなァ。
 最も拭い難い違和感の正体はつまり、勝元の主張、大義の正体が見えず、ゆえに彼と朝廷との対立のありようが明確にならないということにあるように思います。
 オールグレンが捕虜として捕われる一度目の戦、これに至る決定的な対立のありようや構図がまず見えないのです。オールグレン率いる軍は大村の私兵ではなく、官軍、ですよね?この時点で勝元は既に朝敵になると思うのですが、一度目の戦の構図が曖昧なため、二度目の戦に至る決定的な対立、決別のシーンがある映画中盤では時勢の緊迫感がよくわからなくなってしまうのです。
 この二度目の戦で、対立の構図は「古きものVS新しいもの」ということに落ちついてしまう。
 そして勝元の大義は曖昧なまま、彼自身の終結がどうあるかにのみ向かい問われていくのです。
 尤もこれはオールグレンが侍たちに傾倒してゆく村でのシーンに時間を割いたためでもあるのでしょうけれど。



 否、そうするとまた問題は「ブシドー」云々のハナシになってしまうのか。
 いや、好きなンです。
 勝元の村でのシーンは丁寧で美しく、殺陣はスピード感もありカッチョよい。戦のシーンは壮大で素晴らしいし、また出演者の好演も忘れがたい。
 この映画のために投じられた費用や時間が膨大なものだったろうことは想像に難くありませんし、また、それに見合う素材(物語や人材)がこの国に数多くあることにも気付かせてくれたと思います。
 面白く観ました。またこんな映画が観たい。
2004年01月20日(火)

メイテイノテイ / チドリアシ

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