2003年03月17日(月) |
ひとは、何故足りることを知らないのか。 |
……また卒業ネタの小ネタでも書こうと思ったけれど、どーにもこーにも、世間がキナ臭くて、そんな気分になれません。
人は、どうして「足りる」ことを知らないんでしょうかね。 必要なぶんだけで、満足しようとしないのでしょうかね。 「だからこそ人類は進歩したのだ」 …という論もあるかもしれないけれど。 それが破壊を産み、昔から受け継いできた貴重な文化や、かけがえのない命を大量に死にいたらしめているのでは、何にもならないのではないかなと。
よその国が、強力な武器を持っているらしい。 …それを恐れて、自国でさらに強い武器を開発してみたり。 「周囲の国が虐げられるから」…ともっともらしい理由をつけて、攻撃する正当性を見出し、「正義のため」と自己暗示をかけてまで、他者をつぶそうとする、その心。 ……これじゃ、ある子が石を持っているから、「いじめられる」と思い込んで先に棒で殴る幼い子供と変わりませんよ。 「目には目を」のハンムラビ法典の時代から、「進歩してませ〜ん!」って、堂々と世界に宣言するようなものですよ。それを「恥ずかしい」と思えない事もすごく問題があると思うなぁ。精神構造的に。 そんな人間が、世界の中枢に位置しているというのだから、寒い話です。
命令する人間は、椅子に座って一言言うだけです。 利益のために、選挙のために、国家が、他の国より優位に立つために。 それで戦地に向かわせられる人々やその家族、何の関係もないのに戦争にまきこまれて負傷したり、親をなくしてしまう子供たちにとっては良い迷惑ですよ。 命令する人間は、「戦いの現場」を分かっているのでしょうか。 ひとの命について、その責任を負わなくてはならないことを分かっているのでしょうか。 目の前で、自分の近しい人が自国の軍の地雷にやられても、同じ事が言えるのでしょうか。 命令する人間は、椅子に座って一言言うだけです。 戦場から、遠く離れた場所で。
何故、疑うのか。 何故、信じられないのか。
何故、そんなにも他よりも自分が優位に立ちたがるのか。 誰も、そんなこと頼みも強要もしないのに。
自分の力で上に登らず、 他人をおとしめることで、相対的に優位に立とうとする、この図式。
悲しいことです。 ――あまりの盲目さに。
寂しいことです。 ――「少し足りない」くらいで我慢して、その中から工夫する知恵が、次第に消えてゆくのは。
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