+シコウカイロ+
此花



 日々の糧に

人の持つものがうらやましいと思う


自分にないものが欲しいと思う


ないものねだりの果てに
手に入れたものは
自分の手の中では
すごくつまらないものに見えた


あんなに欲しかったのに

輝いて見えたのは
それが他人のものだったからで
自分が手にしたところで
それはただの
不要なものになってしまった


広がっていく世界を
怖いと思う

その中心にいる人を
羨ましく思って
ついには妬ましくさえなる

たとえ
そこに自分が立ったとしても
僕に君の代わりは
出来ないと知っているのに


世界は僕だけを置いて回り続けて
いつかきっと
僕は一人きりだ


最初から誰もいなかったただそれだけのこと

2011年07月16日(土)
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