椰子の実日記【JOYWOW】
2003年09月08日(月)
空の高さ
字幕スーパーで「清水俊二」という名前を見たひとは多い はずだ。何しろ日本の字幕スーパーの先達なのだから。 手がけた映画の数2000というから驚く。清水氏の自伝 『映画字幕五十年』自体面白い読み物なのだが、そこに 登場する映画関係者のエピソードも魅力的だ。
『市街』でゲーリー・クーパーが口癖のように言う 「No hard feelings!」を「悪く思うなよ」と訳して 当時の日本の流行語を作ったのは内田岐三雄氏。内田氏は 当時ニューヨークに赴任していたが、フランスに女性を 待たせていた。やがて彼女を追ってマルセイユに船出した。 ところが、「金のため」に夢破れて日本に帰国する。 帰国後、太平洋戦争末期の空襲で亡くなる。この短いエピソー ドだけでも、内田氏の人生をもっと知りたくなる。 昭和ヒトケタの時代である。戦前をいたずらに暗く描く ひとがいるが、空の高さは、2003年の現代よりも、はるか に高かったような、そんな気がする。
|