椰子の実日記【JOYWOW】
2003年09月09日(火)
'Round About Midnight
自著を解題する仕事を始めようとして書棚の奥を探検して いたら、晶文社植草甚一スクラップブック12『モダン・ジャズ のたのしみ』なんていう懐かしい本が出てきた。70年代、 まだ大学生で尼崎の実家に住んでいた頃、筒井康隆の 文章に出てきたことがきっかけで植草じいさんを知り、 以降彼はぼくにとって「アメリカ」への数ある入口の 一つとなった(翻訳調の文体になったな(笑))。 ぱらぱらとめくってみると、マイルスの『'Round About Midnight』について触れていて、ぼくは長く この曲が嫌いだった。どれだけ嫌いかというと、ここ 二十年ほど、ずっと嫌いだった。ところが植草さんが 「きんきんに冷えた冬の夜のイメージ」という内容の この曲についての描写をしているのを読んで急にマンハッタン の冬を思い出し、そういえばそうだよなあ、よく描けて いるよなあ。
いま、CDをかけながら書いているが、なんだか急に 好きになってしまった。不思議なことだね。 植草じいさんの話を、もっと聞きたくなった。 さて、珈琲でも淹れるとするか。
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