椰子の実日記【JOYWOW】
2003年09月07日(日)
あめりか物語
荷風は大好きである。とはいえ、氏の代表作とされる 『墨東綺談』(この文字のうち二つ間違っている。 わかっているのだが、パソコンでは変換できないのだ。 パソコンのおかげで文学が変わっているのではないか?) 『腕くらべ』『おかめ笹』など読んでいない。というか、 読んだのはたったの一冊、『あめりか物語』だけだ。 これはニューヨークに住んでいた頃どこで買ったものか、 舞台がNYというので、買ってみた。明治時代の荷風が見た NYと現代とを比較する、という興味だったと思うが、 実際に読んだのは昨年、LAに滞在中である。『五感商品の 創りかた』執筆合間、ホテルの風呂に入りながら大半を 読んだ。明治時代の日本人の心意気が描かれており、 気持ちがいい。そして、美しい日本語に身体が洗われる。 いい表現に出会った時に引く赤線だらけである。
「何ですッて。もう一度仰有い。承知しませんよ」 「何処へ行くんだ。寒さ払いに一杯かね」 「早速いつもの咽喉を聞かしねえ」
セリフも、おいしい。ちなみにこれらの文章を書いた荷風は 二十代である。
と、思っていたら、安岡章太郎『私の墨東綺談』を発見した。 こちらもまた、おいしい。いい文章は、有機野菜より身体に 良いのではないか。
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