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椰子の実日記【JOYWOW】
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2003年03月14日(金)


麗しのサブリナ

麗しのサブリナ Sabrina
公開: 1954年
製作: パラマウント・スタジオ
ビリー・ワイルダー
監督: ビリー・ワイルダー
原作: サミュエル・テイラー
脚本: ビリー・ワイルダー
サミュエル・テイラー
撮影: チャールズ・ラングJr
音楽: フレデリック・ホランダー
出演: オードリー・ヘプバーン
    ハンフリー・ボガート
    ウィリアム・ホールデン

高校の古文の先生は、漢字コンクールで何年か連続優勝する
くらい博学でした。彼がしみじみ言ったことをいまでも覚え
ています。

「『麗しのサブリナ』は、原題より、いいタイトルだよなあ」

確かに。原題は『Sabrina』で、まんまです。想像の広がりの
あるのは、邦題でしょう。この時、翻訳の素晴らしさを、知り
ました。長じて自分も翻訳をするようになり、自戒のため先生
の言葉を時々思い出したものです。

さて、映画では、ボギーとホールデンが兄弟役ですが、いかんせん
二人とも、薹(とう)が立ちすぎている感が否めません。ボギーって、
昔はこういうタイプの大人の男がいたよなあ、という雰囲気があり
ます。それはそれで安定感があっていいのですが、恋にとまどう役柄
としてはちと苦しい。

とはいえ、ヘプバーンが美しいので、すべてOKですね。この映画は
もともとブロードウェイのヒットミュージカル『サブリナ・フェア』
を観たヘプバーンが「これは自分のためにある」と思ってパラマウント
に版権を買わせた裏話があります。ヘプバーンによる、ヘプバーン
のための映画。文句なし。白黒映画の美しさを堪能できます。

 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW