Kin-SMA放言
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2003年02月08日(土) えーやん!花組vvv(そしてお疲れさま)←一日早いぞ

「えーやん」って、いきなり関西弁かい?! と思った方、違いますってば。
そうとも。これは勿論「ELJEN!」(ハンガリー語の「万歳!」)のことさ。

神様が、たまには中年にもいい目を見させてやろうとくれたご褒美が、4○歳の誕生日に『エリザベート』貸し切り公演ロイヤル席!
(これで、今年の運はすべて使い果たした・・・間違いなく)

いやぁ、良い席だと、音もやっぱり違うんだ・・・。

一階後方壁際で聴く音と、こんなにも違うというのは、ちょっと納得いかない気もする。それが値段の差なんだ、と言われればそれまでだが。

しかも、どの席のお客にも平等に情熱が届くように、と演者が心がけているのが伝わってくるだけに、辛い。

でも、せっかくこのような大幸運を頂いたのだから、本日のこの出来こそが宝塚歌劇団(オーケストラ含む/笑)花組の実力なのであると信じることにした。

かといって、全編激甘に褒めまくるつもりもないが。
(ここからが本番)

Act.1
〈プロローグ〉
それでもやっぱりオケの低音が、どうしてもウィーン版やエッセン版のCDに比べて弱いのであった。キーの違いだからということで、やはりガマン、なのだろうか。

そして残念ながら、ルキーニ。新機軸を出そうと頑張っていたあさこではあったが、「初めて観る人の目」で見れば、やはり「役と個性が合ってない」と言わざるをえない。

ルキーニは、確かに登場人物達とは一段階別の次元にいて、深刻な場面をちゃかしたりするキャラだが、そういうところでも「なるほど、このルキーニって男は、真剣に生きている人間を憎んでいる、危険な脳みその持ち主なんだな」という感じじゃなきゃいけないのではないか。

たとえお軽い場面でも、気のいいニイチャンじゃ、いけないのだ。

ルキーニの狂気がすべてをスタートさせるプロローグなら、なおさらだ。

でもフィナーレでは、あさこがいつもショーなどで見せる「危ない色気」がパッと匂い立つ場面がやっぱりあった。
でも、それはルキーニという役が持つ「危険度」とは、別物なのかもしれない。

さて、霊魂がうぞろうぞろ現れてのコーラスだが、これもやはり、男女混声と比べると、弱い(こればっかりは、タカラヅカの宿命なのだから、見逃すしかないのか・・・)

トート様のご登場。

かなり、ナルシーです(爆)

なんか、ずんこトートあたりからナルシー度が増したように思うんだが、何故なのだろうか? 別にいいんだけど。

〈ポッセンホーフェン城〉
最初の詩の朗読やセリフは、花總の独特の言い回しが耳に残っているから、あやちゃんにしろミドリにしろ、不利であったと思う。
唄はミドリの方が、はるかに上手い(笑)

パパにりつさん復活。良かった。
チハルちゃんも、渋いかっこいいパパだったが、りつさんのマックス公は、自由人で遊び人、若い頃はブイブイ言わせた(←おい)って感じだった。

〈シュタルンベルク湖畔〉
副組長のママ。・・・なぜにタカラヅカでは、ルドヴィカは唄の○○な人が担当するというジンクス(こらっ)があるのか。これがいわゆる「組事情」というやつなのか?(以下自主規制)

あとは・・・あまり印象なし。(- -)

〈冥界〜シシィの部屋〉
イチロさんのために作られた唄だからってわけじゃないが、「愛と死の輪舞(ロンド)」はやっぱイチロさんがダントツだ、と思っていた。
(特に、外国勢も含めて男性トートは、この唄ヘタだ。音程の問題じゃなく)

おさ、よくやった!(←おっ)

小池先生がよく使うパターンで、主人公に、同じ唄を前半と後半で、全く違う感情の元に唄わせる、というのがあり、この曲もまさにそのパターン。ところが東宝版ではこの唄、ここでしか使われない。はっきり言って、意義が消失していたと思う。

ヅカ版では、マリコもずんこも二回唄ったけど、この「二回唄う意味」を、きちんと表現できていたのは、イチロさんとおさだけだったように思った。

ここで黒天使たちについて。

“ダンサー殺し”(驚)の大島早紀子の振付で踊るトートダンサーズを見ちゃうと、なんと「あまり動いてない」ように見えるのが気の毒。めちゃめちゃ踊ってるしキレイなのに・・・

でも、必ず何人かは「その髪型は・・・だぞ」っていうのがいるな(笑)

〈謁見の間〉
皇室チーム登場(笑)
はっちさんのゾフィ様は、体型的にも今までの方々と違って(笑)、よりギスギスしたコワい印象。シシィを虐めるんでも、「母親が息子の嫁に微妙に嫉妬して」というよりも、まさに「宮廷を、君主制を守るのだ」という“男”的発送から来ていると思わせた。

王宮6人男(笑)の中では、さすがにグリュンネ伯爵のソルさんが、「喰えないヤツ」感を出してて上手い。

じゅりぴょんフランツ。実は、先月16日の日記でほとんど彼女について感想を書かなかったのは、正直に言うと、「あんまり感心しなかった」からなのだ。

うーん、なんて言っていいのか・・・。単に、ぼくが思っているフランツ・ヨーゼフじゃなかったってことで、「じゅりぴょん良かったv」と思っている人がいても、いいんだけど・・・

どこが「フランツじゃなかった」のかは、もっと後の場面で書くことにする。

つっつさんの死刑囚の母。

たった1分の勝負で、悪目立ちもいけない、なかなか難役だと思う。
おかしなつけたし演技(?)もなく、きっちり演じていてけっこうでした。

〈バート・イシュル〉
じゅりぴょん、ここは良かった(←これこれ・・・)
まず「お久しぶりです、おばさま」。このセリフが良かった。今までの皇帝陛下は「おばさん」と言ってた気がする。身分の高い人なんだから、「おばさん」はねぇよなぁ、と思っていたので。さすがだよ、じゅりぴょん(?)

そして、ネコをかぶったヘレネよりも、おてんばシシィを気に入るまでの過程も、違和感なく演じていたし(ここは、今までのどの陛下も上手だったが)。

そしてこの場面を見ながら、ぼくはあらぬ感動をしてしまった。
要するに、舞台に出ているどんな小さな役の子でも、すべての生徒が、一人として気を抜かず、芝居に参加しているという当たり前のことにだ(聞いてるか?! かつん!!)。
加えてタカラヅカでは、「主役に対するリスペクト度」が他の劇団やカンパニーとは格段に違うという、良いときもあれば悪いときもある特徴もあり。でもこれが良い方に転ぶと、たまらなく「タカラヅカが好きで良かったなぁ」と思わせられるのだけど。

〈天と地の間〉
ここで、じゅりぴょんに苦言が出てしまうのだけど。

ぼくが(勝手に)思うフランツって、シシィを愛していることには何の迷いもなかった人であることは事実だが、その根底で、彼は自分が皇帝であることがシシィを苦しめているなんて、あまり気づかなかったのではないだろうか、と思うのだ。

ここで、ネックレスをつけたシシィが「とても重い」と唄うのがぼくは好きなのだが、フランツは、この「重さ」が「愛のあかし」なんだと信じて疑わない。シシィがその重さに一抹の不安を抱いたことに気づいていないのだ。

だからこそ、子どもが生まれた後で「あなたは敵だわ」と言われても、「何で?!」と思いこそすれ、「悪かった」とか「分かってくれ」て顔なんかしちゃいけないのだ。

自分は「皇帝の義務」として当たり前に「感情を抑えて」「冷静に」生きてきたので、それをシシィは逆立ちしたってできないってことが、フランツは理解できないのだ。
どっちが正しかったのかという問題じゃなく、根本的に、分かり合えない二人だったのだ。

この点を的確に表現できていたフランツは、ぼくが見た中では、ユキちゃん一人だったように思う。
演技力の点では雪組版にとどめを指すのは、「初見の衝撃」だけではないと思うんだ、やっぱり。

(突然ミーハー発言)
ありがとう! ロイヤル席!
フランツとシシィが銀橋を渡るシーンでは、いつもそっちばっかり見てて、センターにトートが現れる瞬間を見逃してばっかりいたのだが、今日は、眼前に「ぬっ」とトート様が!!(きゃあぁ♪)

「予定が狂った」怒りをその半眼に込めたおさトートのキレイ怖さといったら・・・
(この時点でかなりヤラレ気味)

〈結婚式〉〈舞踏会〉
何度観ても、すべての歌詞を聴き取るのは不可能・・・
(「かまわないさ〜♪」をルドルフ(ちゃうって/笑)が唄っていたのに、初めて気づいた!)

えー、トート様最大のナンバー「最後のダンス」でござる。
ジェンヌはロック系の唄が弱点、という共通認識もあるのだけれど(ずんこは上手かったが)、おさも、最後のスキャット部分は「楽譜なぞってる」て感じがした(うぅ)
だが、特筆したいのは、「あなたは彼を選んだ〜♪」の「エェラんだ〜♪」の節回しの、艶っぽさ。ここはイチロさんもすごくなまめかしかったのが記憶にあるが、おさのもまたそれとちょっと違ってて、「選んだろうおまえは! 知ってんだぞ・・・」みたいな凄みがあって(何じゃそりゃ)、ぞっとしつつも快感vvだった(へ、変態?)

〈シシィの寝室〉〈天空〉
ゾフィがなぜ口うるさいのか、ということや、フランツは優しそうに見えて実は何にもわかってないということに関しては前述したので省略。

ここでシシィがわんわん泣くのは初の演出。16歳らしさを出そうとしたのかな? でもちょっと疑問だった。
本当は、ここで自殺しようとするヅカ独自の演出もいただけない。
エリザベートという人は、こんなところで死のうと思うような人じゃないのでは? と思うので。

シシィ最大のナンバー「私だけに」。
ミドリはよく唄っていた。
ただ、この唄は、それこそ芝居の流れを止めてもいいくらいの曲なのに、あくまで「エリザベートとして」唄っているミドリに、謙虚で律儀なジェンヌ魂(?)を見た。
でも、千穐楽ではやってくれるのかな?(何を?)

〈ハンガリー訪問〉
前から一つ疑問だったのは、シシィが長女にゾフィという名前を付けられたことを何で怒るのかってことだった。
だって、昔の名家では当たり前のことでしょ? 初孫に祖父母の名前を付けるってのは。実際、ルドルフの娘だって、自動的(?)に「エリザベート」って名前が付けられてるし。

そんだけです(←疲れてきたな)

エルマーたち登場。
いいね、らんトムv(また・・・)
ふふふ、新人公演のビデオ買っちゃったv(←幸せなヤツ)
愛音も未涼も有望な男役だが、いずれ老いぼれてゆく革命家たちにしては、ちょっとこの場面で美青年すぎるかな?
(実は、ジュラは色男だったという説がある。シシィの愛人説まであったもんね)

前にも書いたけど、ここで「女狐め云々」のセリフが増えたのは、あんまり好きじゃない。
場面がだれたような気がする。

〈ウィーンのカフェ〉
えー・・・省略(←絶対疲れてきた)

〈シシィの居室〉
世にも美しい旋律「えーりーざべーーー♪」を、フランツとトートが唄うんだけど、「えー」をじゅりぴょんが唄えてないのが、今公演最大の嘆きどころだった。

たしかにじゅりぴょんは、男役の中ではキーが高いのだ。そして、フランツは登場人物中、最もキーの低い役なのだ。

残念だったなぁ・・・

ついたての陰から出現のトート。

これは、マリコがあまりにも美し妖艶すぎて、未だに誰もかなわない。
唄は・・・・・・(沈黙長すぎ)だが、このシーンだけはもう「マリコじゃなきゃ、や!」みたいな(何者?)

シシィに拒否られて部屋を出ていく時に、なんとも慇懃にお辞儀をする仕草も、マリコのは、もう、・・・ゾクゾクゾクッ! とたまらんものがあった。

でも、おさもまだトップとしては若葉マーク。
これからいくらでもがんばれるのだ。
期待してるぞvv

そして、部屋を出てから「もうダメ、立ってらんない」みたいに、柱にへばりついている姿が、むちゃいとおしいのだ(笑)

〈ウィーンの街頭〉
「ミルク」は元来ルキーニと市民の持ち唄なんだけど、ヅカ版ではトートが先導してしまう。この辺も、ルキーニ役者には、気の毒な改変ではあるのだが、雪組版でイシちゃんが「誰も信じないさ、そうだろう!!」というところで見せた迫力が、他のルキーニには見られないのがやはり残念だ。

ただ、この場面でぼくは柱にへばりつくトートばっか見てて(笑)、ルキーニの「ないものはないんだ!」の芝居を見てないのは、あさこ、ごめん。悪かった(でも、つい目が・・・)

〈更衣室〜鏡の間〉
ちあきちゃんのリヒテンシュタインは、残念ながらあんまりいいところを見つけられなかった。東宝版の伊東さんも良かったんだけど、ぼくは宙組版のちずちゃんのリヒテンシュタインが好きで。
この人も、この作品ではゾフィ一派でシシィを虐めるみたいに描かれてるけど、実際には、ゾフィより厳しかったんだって(笑/あかんがな)

シシィが嫁いできたとき、既に50過ぎのオバサンで、それはそれは厳格な教育係で、「私がヨーロッパ一の皇后に仕立て上げなければ」みたいな誇りと義務感で生きていた人。

その厳格さは「虐めてやろう」とかいう感情レベルのものなんかじゃなく、とにかく「鍛えなければ」「教えなければ」というものから出ていた。それを、ちずちゃんはうまく出していたように思う。

ところでこの場面、「こんな遅い時間にどうして〜♪」と女官が唄うのだけど、その「こんな遅い時間」に、なんでシシィはあんなに着飾ってるの? というつっこみがあったらしい(笑)

それはさ、その時間にヴィンターハルターが肖像画を描きに来てたからなのさ〜♪ 昼間は公務で忙しいもん。
だから、あの有名なドレスを着てるんだよ〜♪ これで解決(←相当疲れてきたなぁ)

しかもなんで「そんな遅い時間」に、フランツは軍服なのかって?

彼は「皇帝である前に軍人でありたい」と言う言葉を残したくらい、自分が軍人であることに誇りを持っていたのさ。
だから寝るときも軍服だったのさ(嘘)

おっと、最後に残念だったのは、一幕を締めるトートの「エリザベェーーー!」の表情に(声は良かった)、「人間を、ただの人間を愛してしまって、オレは、オレは・・・」みたいな苦悩が感じられなかったこと(感じられなかったのはぼくだけかもしんないが)

ここはずんこのすごさが印象に残ってる。




あうぅ、一幕だけで夜が明けてきた・・・
続きは明日(というより、一週間ぐらいかけてやろう)←メインタイトルに偽りありの日記になってしまう〜・・・かといって、今さらHP立ち上げる気力はさらさらないし・・・

まぁ、もともと自己満足日記だもんな。




↑この先も読んでやってもいいぞ、という方はどうぞ一押し

どうしよう・・・?>オレ


ておどる 【2006年以降に書いた日記はこちら】てくてくミーハー道場