Dailyみぅこむ
このあいだ予告した通り、今日は「実際にあった怖いのかなんなのかよく分かんないから怖い話」をお送りします。 うちの母がまだ小さな頃、祖母(母の母ですね)は風呂場で、戸を閉めて洗濯か何かしていたんだそうです。お風呂場の引き戸は重くて、立て付けが悪く、子どもなら「よいしょお〜っ」とやって開けるくらいの力が必要だったとか。祖母はその戸に背を向けて洗濯していました。すると… ガラガラガラピシャッ! 戸がすごい勢いで開いた音がして、祖母は驚いて振り返りました。 しかし、誰もいない。 祖母には3人の幼い娘がいたので、だれかが悪戯したんだろうと思いましたが、それでもこの重い戸をこれだけ力強く開けられるのも変な感じがして風呂場から出ました。 廊下にも、誰もいない。 祖母は娘たちにだれがお風呂場の戸を開けたのか、聞きました。 「みんなで外で遊んでいたから、だれもお風呂場には行ってない」 祖母は背筋に寒いものを感じました。 次の日、一本の電話がかかってきました。懇意にしていた親戚が亡くなったという訃報でした。 「14時に息を引き取った」 祖母はどきりとしました。14時は、戸が勢いよく開いた頃と合致するのです。 虫の知らせは本当にあるものなのだ、と祖母は思ったそうです。 母が高校生だった頃の話です。姉の2人はすでに独立し、母は広い部屋を一人で使っていました。母は押し入れの上の段に入り、そこでキャンドルを灯して日記を書くのが好きでした。母が押し入れにこもって日記を書いている時、もちろんキャンドルをつけているのでふすまは少し開けています。その隙間から、母は何度か黒い影を見ていました。黒い影は気付くとすぅっと横切って消えてゆく。気味悪く思ったものの、目の錯覚か何かだと思い、あまり気にはしていませんでした。また、ふすまの間からだけでなく、窓の外に見ることもありました。母は直感的に、男性の影だ、と思っていました。 母はその部屋に布団を敷いて寝ていました。足下には衣類の入ったタンスが置いてあり、まくらもとは入り口側を向いています。 ある夜、いつも通りに布団に入り、目を閉じていると、入り口のふすまが開いた音がしました。光も差し込んできているので、母親が衣類を取りに来たのだろうと思い、驚かそうと寝たフリをしていました。 気配が足下に来た時、母は勢いよく起き上がろうとしました。 ところが、その瞬間、ものすごい力で押さえ付けられました。 暗闇の中で視界が悪く、自分にのしかかるのがなんなのかもよく分かりません。しかし間違いなく男だという気がして、しかも何度もそれが見たあの黒い影と思えてなりませんでした。 呼吸ができないほどの締め付けを、どれくらい耐えていたのか。気が付くと、影は消えていました。 恐ろしくなって、母親に今起きたことをすべて話しました。母親も気味が悪がって、それからしばらく茶の間で一緒に眠ることにしました。 それ以後、あの黒い影が現れることは二度とありませんでした。しかし、母親が近所の人にその話題をちょっと漏らすと、近所の女性は顔をしかめてこう言ったそうです。 「ここらへんって、昔は落とした首をさらしておく場所だったそうよ…」 あの影は無惨に首を落とされた男の遺恨だったのでしょうか…?? この体験は、みぅこむは全く覚えていません。なので、小学校にあがってから母から聞いた話です。 私が3歳の時、上杉の八幡神社の近くに住んでいました。借家でしたが、私達の住む前は父の姉夫婦が住んでいた家です。 8畳ほどの畳部屋と、居間は通しで、ふすまを取り払って一続きの部屋にして使用していました。畳部屋の方に、家族3人は川の時で眠っていました。 ある夜、母は私が寝返りを激しく打っているのに気が付いて目を覚ましました。午前二時。やがて私はぐずりはじめます。夢見でも悪いのかと思って見ていると、突然私が身体を起こしました。 そして一点を見つめ、泣き出したのです。 「おじさんが立ってる」 母はぞっとして私をなだめます。しかし泣き止まない。「おじさんが立ってる」と繰り返して、泣いている。やがてふっとおさまり、私はまた何ごともなかったように眠ってしまいました。 次の日の夜。やはり私は何かが触れるのを嫌がるような動きをして、しきりに寝返りを打ちます。母がもしかしてと、凝視していると、やはり私は起き上がりました。 「おじさんが、立ってる」 恐がりながら、一点を指差し、私はただ泣く。 母はこういったものにとっても弱いので、心底恐ろしかったらしいのですが、泣き止まない私に意を決して訊ねました。 「どこに?どこに立ってるの?」 私はぐずりながら答えます。 「ママの後ろに、おじさんが立ってる!」 元来怖がりの母は、どれほど恐怖を味わったことでしょう…可哀想に…。 次の日、母はこのことを父に話して、だったらカメラで撮ってみようということに。カメラで撮ってみようなんて発想、やはりうちの親父です…。なんとかしろって。 午前二時、やはりぴったり、私は寝返りを打ち始め、いつも通り起き上がって泣き出しました。私が指差す方向を、暗闇の中、父は必死でシャッターを切り続けました。 私が寝静まってから、父ははっと気がつきました。 「なんで、シャッター切れたんだ?」 昔のうちのカメラはいわゆる「バカチョン」と言って、ズーム無し、ピント一定のカメラです。暗いところだと、手動でフラッシュボタンを押さないと、シャッターが切れない仕組みになっていました。しかし、暗闇の中、バシャバシャと撮っていたことに、父は青くなりました。 現像した写真には、別になにも映っていなかったそうです。 父は実家に電話をして、わたしが最近変なことで悩まされていると話したところ、不審がった祖母は昔この家に住んでいた姉に電話をしました。姉の旦那さんだった男性は、すでに亡くなっています。ところが仏壇にお線香もあげず、ホコリも払わず放ったらかしにしていたことを祖母は知り、すぐに掃除をしてお線香をあげるようにと言いました。 父と母は、こうなったら神頼みだ、というわけで早速、八幡神社の神主さんに相談に行きました。事情を聞いて神主さんも不思議がり、私をお払いして、「幼子に憑いてくれるなうんぬん」という内容のお経を書き、お守り袋に入れて渡してくれました。 母はお守りを私のパジャマのポケットに縫い付け、寝かせると、これがぴったり、何ごとも起こらなくなったのです。 これが神主さんのお払いパワーのおかげなのかは分かりませんが、私の見た「おじさん」が姉夫婦の今は亡き旦那さんだったとすると、謎が解けます。 この家に住んでいた頃、夫婦には3歳ほどの娘が一人いたのです。私よりも4、5歳上ですから、その頃すでに7歳か8歳でした。天国から娘に会いたくてやってきたおじさんは、きっと娘と過ごしたこの家に帰ってきたのでしょう。そこにはもう、妻と子どもは住んではいません。けれどたしかに娘と同じ年頃の女の子(つまり私)が住んでいた。だから夜な夜な現れては、懐かしんでいたのではないでしょうか。 そう思うと、泣いて申し訳なかったわ。 でも不思議なことに、私はこの一部始終を覚えていません。 書いてて自分で怖くなってきた(‐▽‐)いやん。 でもホラ、みんな理由があって出てきたものばっかだし、いろいろあるのよ、きっと… でもあんまり関わりたくないっすね。 ・付け足し ここで掲載している写真は内容と全く関係ありません。みぅこむが加工しているだけです。でもこれ気味悪いね。
Daliyみぅこむは
HIT
|