Dailyみぅこむ
ずいぶん昔の話になるけど、こやあちゃんとサンプリングのバイトをした時のこと。みやぎ国体の宣伝活動で、花の種を配った。化粧品のサンプリングの時とは、あきらかに違う。だいたいもらってくれない。そして一度もらった人が走って「いらない」と返しに来る。目の前で捨てる人も多い。はじめはいちいち胸を痛めていたが、やっているうちにそんなことは気にしちゃいられなくなり、午後には全くヘともなくなった。むしろこっちの気合いで無理矢理もらわせるくらいの意気込みに変化した。
今回は、そんなサンプリング中に出会った、ちょっとオドロキな通行人特集だ。
まずは一番多かったちょっとビックリな人たち。駅前という場所柄か、旅行者が多かったらしく、バイト中の私達に「○○にはどう行ったらいいんでしょうか?」と聞きに来る人々。一人二人じゃない、もう記憶できないほどたくさんの人に道やホテルの場所を聞かれた。私は地元人とはいえ、いまだに通りの名前と場所が一致していないので(アホ)、かなりアバウトに教えていた。まだこれなら分かるが、「安いチケットが買えるショップはどこですか?」まで聞かれた。丁寧に教えたら「そこじゃなくて、もっと奥のほうでありますよね?」そんなに知ってるなら聞く必要ないのでは…会社員二人組。突然近寄ってきた中年夫婦は開口一発「ズバリ牛舌の美味しい店はどこですか?」…あんたは丸尾君か!仙台人だからってみんなが牛舌屋に行ってるわけではないんだ。日本人だからってみんなジュードーしてるわけではないのと一緒だ!聞いた相手が悪かったね…私は牛舌が苦手なんだよーっ!というわけで「わかりません」。そんで極め付け「ぐるぐる巡回する観光バスの乗り場はどこですか?」…もしもしあたしゃ旅行会社か?!観光バスなんていくつあると思ってるんだ…。とりあえず「るーぷる仙台」と判断して乗り場と窓口を教えた。私は何のバイトをしてるんだ?!駅なんだから駅員をつかまえてくれよ…。
そして次にオドロイタ人。「携帯の使い方わかります?」…は?おばさんの言うことにゃ、娘から借りた携帯の使い方がイマイチ分からず、「音が出ないようにできない」のだそうだ。そしておばさんはおもむろにバッグからキルティングのペンケースを取り出した。チャックをあけると中にきっちり納められた携帯登場。ペンケースに携帯を入れて持ち歩く人は初めてだったのでそこで二度ビックリ。よくわからない機種だったが、世の中電話の使い方なんてほとんど一緒だと思われたので、ファンクションキーをいじっているうちにバイブにできた。多分これで大丈夫ですよ、と返したら丁寧にお礼を言われ、ほほえみと共におばさんは去っていった。ちょっといい人そうなので許す。
そして最後は、オドロイタというよりはムカツイタ奴ら。
駅前の花壇に長いこと腰掛けていた男子大学生の二人組。一人はテープレコーダーに何か吹き込んでいる。声がでかいので嫌でもばたばたと仕事をしている私の耳に入ってきた。
「それじゃ次は、キャンギャルに聞いてみま〜す!」
キャンギャル?このへんにキャンギャルなんていたか?立ち上がり、足早に歩き出した奴の向かう先は…お、おらか?!キャンギャルか?!これがキャンギャルと呼べるのか?
嫌な予感におそわれ、全く声が聞こえないフリをして忙しく働いているフリをする私の目の前に来た奴は、突然、このメロディーを歌いだした!(MIDIを聞いてみてくれ)
そして突然マイクを私の口に向ける。この曲はみなさんもよく御存じだろう。あの「っはあー、っはあー」の合いの手を私に言わせようという、そういう魂胆らしい。てめえら、仕事中の人間に向かって、しかもそういう声を出させようとするとは、ふざけているにも程がある!あまりにむかついたので、超嫌な感じに「なんですか?」と睨んでしまった。こわやこわや。
そしたら学生、説明も、誤りもせずにさっさと去りながら「だめでしたー」とテープに吹き込んでいる。ムキーーーッ!むかつくーーーー!
こやあちゃんもそいつらの被害にあったが、後でなんて答えたか聞いたら、マイクに向かって「は?」と言ったらしい。よしよし、それでよし。あんなやつらのばかな企みにのせられたりしないわよ。そんな声が聞きたいなら金払え金!
というわけで、途中からちょっと主旨がずれましたが、以上私のであったビックリ通行人でした。
サンプリングはシビアな仕事ですが、人間もようがいろいろ垣間見れて、楽しいバイトですよ(大ウソ)。
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