Dailyみぅこむ

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2001年01月27日(土) 赤ちゃん綿棒

 私の耳は、以前「みぅこむの生態」でお話した通り、ネバネバした垢のでる体質、俗に言う「あめみみ」タイプです。あめみみタイプの人は分かると思いますが、通常のカサカサ垢タイプに比べ、かゆみが出やすい、そしてそのかゆみが猛烈なものである、という特徴を持つことがみぅこむの人生20年の観察歴から立証されています。つまりネバーっとした「みみだれ」が耳を伝うので、耳の毛がそれによってくっついたり、またははなれたりしたとき、かゆみが襲ってくる、というのが突然の猛烈なかゆみの原因のようです。
 当然、「あめみみ」タイプの人は、通常の人よりも頻繁に耳かきをしなくてはなりません。耳かき、というより、ねばっとした液状のものを拭いてやる作業ですので、「耳掃除」極端に言えば「耳拭き」のほうが適当かと思います。通常の人代表として父を挙げますが、この方は一ヵ月に数回しか耳かきをしません。これは極端だったかもしれませんが、比較的あめみみタイプの母も、3日にいっぺん、普通の綿棒か耳かき棒でしている程度です。しかし、私は一日一回などというものではありません。一日3度以上です。特に夜はかゆみがでやすいので、数えきれないくらい耳掃除です。私の手元には、携帯やシャープペンシルのようにごく日常的に、赤ちゃん綿棒がそばにあるのです。もしくはたばこをふかすのと同じように、気がつくと手にとっては耳をかき、ハブアブレイク、しているのです。
 ここでさすがにお気付きでしょう。赤ちゃん綿棒、という私のこだわりに。そうなんです。通常市販されている綿棒の約半分の太さの綿棒のことです。あかちゃんのような小さな耳の穴のために細くなっている綿棒で、普通の綿棒の約1.5倍以上の値段で取り引きされています。私はこれに断固反対します。どうかんがえても綿の使用容量が少ないというのに、値段が上がるとはなにごとか。生産数が圧倒的に少ないから、と言われたら、反論できませんのでやめましょう。
 私は、実は普通の太さの綿棒が使えません。耳の穴が細いからです。図体はみなさん御存じの通り大きいというのに、耳の穴は赤ちゃんの頃からさほど成長していないのです。人体の神秘です。通常の綿棒も入ることは入りますが、細部に届きません。ごわっ、もそっと、とても不快です。なので私はお泊まりに行く時でさえ、綿棒を忘れることはできないのです。大体、普通の家に赤ちゃん綿棒はありません。これがないと、いや世の中に綿棒がなかったとしたら、私はどんなに辛いことでしょう。
 学校では、さすがに人の目がはばかられるのでトイレに行ってこっそり耳かきです。便座に腰掛け、隠れてたばこを吸う高校生の気分です。堂々とやってもいいのかはわかりませんが、ポーチからミラーを出して化粧を直している人々の中でひとり、ポーチから赤ちゃん綿棒を取り出し、ひとり悦に入っている姿はあまり想像してもよいものとは思えません。
 私にとって「みみかす」はちょっと驚きの対象です。小さなかすがとれただけで感激してしまうのです。私の耳において「みみかす」は天然記念物指定ほどに貴重です。
 私はみみかきをするのは日常の行為なのですが、みみかきをされる方が一番好きです。しかし子どもの頃からかすのない、あまりに簡素な耳であるため面白くないという理由で母はあまり耳かきをしたがりませんでした。そのかわり、父の「ガサガサみみかすが中で動いてるのが分かる」、なんていう耳は見ただけで「ゾクッと」するそうです。うらやましい限りです。その耳をいただきたい、父。
 もちろんナイトテーブルの上には必ず綿棒。と、ティッシュ。これは夜中の突然の耳のかゆみと、突然の鼻血に備えるため、必需品なのです。鼻血は触れませんでしたが、これも私には幼少時代から日常茶飯事です。
 こう書いてみると結構面倒な体質ですが、自分の身体なので肯定的に向き合っている毎日です。
 以上、『人生に欠かせないもの「赤ちゃん綿棒」』でした。

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