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先日、とある送別会の場で今度僕のいる組織を去る人 −去るのは単に契約期間の問題でなのだが− からこんなことを言われた。 「おじゅん君は率直に言って今の仕事を続けるの?」と。
その人には入社直後の研修時からたびたびお世話に なってきた。長いこと話し込んだことは無かったけれど、 時折交わした言葉の端々から、きっと僕ときちんとした 「会話」が出来る稀有な人であろうと思っていた 数少ない人だった。そして、このときこのような言葉を かけられたことでさらにその意を強くした。
多くの人が集まっている送別会で、その人と二人だけで 長いこと話すのは周りに迷惑かとも思ったが、 僕はゆっくりと言葉を選びながらその人に 自分の思いを伝えた。僕にとってもその人にとっても そうすることが必要だと思ったし、久しぶりに きとんとした「会話」をする機会になると思ったからだ。
僕は決して今の仕事をすぐに辞めるつもりはない。 可能性と広がりのある仕事だと今でも信じているし、 言われているよりも柔軟な組織であると実感しているから。 やってみたいことはたくさんある。
けれど、そのことと僕がこの仕事だけを通して 年をとっていくことに納得できるかどうかということは 別の問題であって、とても簡単に出せる結論ではない。
その人はこうも言っていた。 「あなたはこれまでこの組織を去っていった人と どこか共通のものを持っていると感じるの」と。
**************************************************************** ピアニスト、フジコヘミングとモスクワフィルハーモニーによる 演奏会を聴きに行った。考えてみれば、クラシックのコンサートは 社会人になって初めてだった。
リストの「ラ・カンパネラ」では、フジコヘミング氏の 超絶技巧に耳ではなく目を奪われ酔いしれた。 またモスクワフィルというだけあって、一部を除いて プログラムはチャイコづくし。 オーボエとフルートがことのほか良かった。 ホルンは僕がこれまで聞いたホルンの中でも 最も朗々と澄んだ音で、ロシアのホルニストは きっとこういう音を出すのだろうと感じさせる音だった。
このところ言い様の無い不安感に襲われている。 そんな風に僕が言うと大学時代の友人は決まって 「もっと具体的に悩めよ」と言っていたことを思い出す。 何におびえているのかは自分でもよくわからない。
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