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2002年01月12日(土) 既視感

必死にグラウンドを駆ける選手達を、
「かつてどこかで見た展開だな」
そんなことを思いながら眺めていた。

その時、こんな声が聞こえた。
「1トライ1ペナルテイで逆転だ」。
そう、1ヶ月前の同じ場所で行われた試合でも、
同じような時間帯に同じ点差をつけられていた。

インジュアリータイム。
一人の選手が、鉄壁のデイフェンス網を
するすると抜け出しライン際を疾走した。
奇跡の逆転劇の再来が刹那、頭をよぎった。

ノーサイドの笛とともに、選手達はそれまで所狭しと
駆け回っていた国立のグラウンドに崩れ落ちた。
「奇跡はそう容易く起こらないからこそ奇跡なんだよな」
そんな風に自分を納得させて、卒論の執筆を再開した。

優勝した時のみに歌う事が許されているあの歌を、
10年間の在学中に一度、聴いてみたかった。
最後にあの歌を歌ったあの監督ならば、
10年以上待ちつづけているたくさんの赤黒ファンに、
きっと来年それを聞かせてくれるはずだと思う。


おじゅん |MAILHomePage

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