エンターテイメント日誌

2007年02月17日(土) フレンチ・ノワール

フィルム・ノワールの傑作は「LAコンフィデンシャル」「インファナル・アフェア」以降途絶えて久しい。「あるいは裏切りという名の犬」はフランスから届いた久々の快作という前評判で期待して観に行った。ロバート・デ・ニーロ主演でハリウッド・リメイクも決まっているという。

評価はD。失望した。つまらん。まずこの物語の主題は「友人から裏切られた男の絶望」の筈だ。しかし、主役の男ふたりがかつて親友だったという肝心の部分が全く描かれていないために、エモーションを喚起しない。だって最初から対立してんだもん。過去にひとりの女を奪い合ったというのも会話だけで処理されているので設定が生きていない。つまりシナリオが駄目。

それからやっぱりノワールって男の色気が出ないと魅力ないんだよね。「LAコンフィデンシャル」も「インファナル・アフェア」も男たちが格好良かった。でも「あるいは裏切りという名の犬」のふたりは鼻がデカイだけでお粗末。音楽も屑。論外。フランス映画再興の日はまだまだ遠い。あ〜ぁ、ロベール・アンリコ監督の「冒険者たち」(1967)なんか大好きだったのになぁ。アラン・ドロンとリノ・ヴァンチュラが良かった。そしてなんてったってふたりの男が愛するレティシアを演じたジョアンナ・シムカス!口笛の「レティシアのテーマ」も哀愁が漂っていて胸に滲みた。

「あるいは裏切りという名の犬」のリメイクが成功するかどうかは脚本家次第だな。


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雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]