エンターテイメント日誌

2002年06月10日(月) ブロードウェイへの旅とミュージカル

たまには映画から離れてミュージカルの話でもしよう。先日行われた演劇界最大の祭典トニー賞授賞式の模様をBSで観たのだが、その感想を書く前に昨年のニューヨークへの旅の記憶から語らねばなるまい。

僕が生まれて初めてニューヨークの地を踏んだのが昨年の8月下旬の事である。同時多発テロが勃発したのがその2週間後のことだった。後に崩壊した世界貿易センターを眺めながら「デザインがシンプルすぎてセンスに欠ける。ただ超高層ビルというだけの理由でNYのシンボルになっているなんて、しょーもないないなぁ。」などと悪態をついていた。でもしっかり世界貿易センタービルをバックに写真を撮ってもらうことは忘れなかった(笑)。実はこのビルの最上階には有名なフレンチ・レストランがあって、旅行前に日本からディナーの予約をしていた。しかしその当日、旅の疲れからか高熱が出て食欲もなく、泣く泣くホテルからキャンセルの電話を入れたのであった。今にして想えばあの時、無理をしてでも往っておくべきだった、もう二度と訪れる事は出来ないのだからと後悔することしきりである。

ニューヨークに滞在したのは6日間、その間にミュージカルを6作品観た。なかなかハードなスケジュールだったが、でもちゃんと観光客らしく自由の女神やメトロポリタン美術館も訪れた。勿論映画「キング・コング」「めぐり逢い」「めぐり逢えたら」の舞台になったエンパイア・ステート・ビルにも登った(さすがにニューヨーク近代美術館MOMAに往く時間は作れなかったが)。観たミュージカル作品は「プロデューサーズ」「42ND STREET」「オペラ座の怪人」「キャバレー」「ザ・ミュージック・マン」「アイーダ」である。実は40年以上というミュージカル史上最長のロングラン記録を誇るオフ・ブロードウェイ作品「ファンタスティックス」も観たかったのだが、次回NYを訪れたときでも遅くはないだろうと見送ってしまった。しかし、あろうことかなんと同時多発テロのあおりを受けて2002年に閉幕してしまったのである!!これもショックだった。しかし、後悔先に立たず。悔しい。

今回の旅で一番感銘を受けたのが「42ND STREET」。群舞による激しいタップが迫力満点で圧倒された。1930年代の名作映画「42番街」を元にした作品である。これを、作品の舞台となった実際の42丁目の劇場で観るという事がまた、格別の体験であった。

「オペラ座の怪人」は日本やロンドンでも観ているのだが、キャストはブロードウェイ版が一番充実していて新鮮な感動を覚えた。

「プロデューサーズ」は同名の爆笑コメディ映画(アカデミー脚本賞受賞)を原作に、その映画の脚本監督を担当したメル・ブルックスが舞台用に脚色し直し、さらに全て自分自身で新曲の作曲もしたという作品で、昨年のトニー賞で12部門を総なめにした。史上最多受賞である。これをネイサン・レイン(映画「バード・ゲージ」)やマシュー・ブロデリック(映画「フェリスはある朝突然に」、ハリウッド版「ゴジラ」)などといったオリジナル・キャストで観ることが出来たのも嬉しかった。このふたりは現在既に降板しており、主要なキャストは代わっている。凄い人気でチケットもなかなか入手できない状況が続いているから、オリジナル・キャストでこの作品を観ることが出来た日本人は少ないんじゃないかな?

「キャバレー」は、かつて映画「青い珊瑚礁」や「エンドレス・ラブ」で一世を風靡したブルック・シールズがヒロインを演じていた。最近スクリーンではとんと見かけないが、テレビの方で頑張っているそうである。パフォーマンスに関しては唄はたいして上手くなく、背が高いという印象だけしか残らなかった。まあ、「昔の名前で出ています」といったところか(^^;。彼女がアイドルだったころ人気があった他の若手映画女優といえば、「ラ・ブーム」のソフィー・マルソー、「リトル・ロマンス」のダイアン・レイン、「初体験/リッジモント・ハイ」(何とこの脚本は「あの頃ペニー・レインと」「バニラ・スカイ」のキャメロン・クロウが担当しているのである!)や「グレムリン」のフィービー・ケイツ、そして「フェノミナ」「ラビリンス」のジェニファー・コネリーなどが思い出される。懐かしいなあ。ちなみに僕は古典的正統派美少女、ジェニファー派であった(笑)。彼女は今年「ビューティフル・マインド」で見事にアカデミー助演女優賞を射止めた。美少女から大人の女優に脱皮するのはなかなか容易なことではない。それは他のアイドルの末路を見れば明らかであろう。

(このブロードウェイの話題は後日、続きを書きます。)


 < 過去の日誌  総目次  未来 >


↑エンピツ投票ボタン
押せばコメントの続きが読めます

My追加
雅哉 [MAIL] [HOMEPAGE]