東京の片隅から
目次きのうあした


2018年04月13日(金) アラビアへの道

昨日の保護者会の前に上野の国立博物館で「アラビアへの道」を見てきた。当初3月までの開催であきらめていたのだがなぜか知らないが会期が延長されていたので行かれた次第。しかも特別展ではなく通常展の一環なのであった。時間的にここと法隆寺館しか見られなかったのが悔やまれる。常設展行きたかった・・・。

サウジアラビア王家の所蔵品が多いというかほとんど。
アラビア半島の遺物、それもイスラム以前のものが多数出品されるというのは珍しい。
アラビア半島というかサウジアラビアというのはイスラムのイメージが強いが、メソポタミアとエジプトの隣だし人類発祥のエチオピアから紅海を隔ててすぐだから当然それ以前にも文化があったわけだ。むしろない方がおかしい。だけどつい失念しがち。
ちょうど9万年前の人類の化石が出土したというニュースもタイムリー。ゾウの化石から土偶ならぬ石偶や石像から始まり、石器や土器なども展示される。全体的に「石の文明」という印象。石やガラスの加工品が多く、土器はわりと拙い。
イスラム以前は当然ながら具象の彫刻も多い。頭部が欠けているものが多いのはイスラム化によって破壊されたのかそれともそれ以前に支配者交代の際に破壊されたのか。いろいろ考える。ただこういうものをコレクションとして収蔵しているあたり、わりとトップの方は宗教と学問を切り離して柔軟に捉えているのかな、と思う。
ドアばかり集めたコーナーがあって、木材が貴重で装飾彫刻を重視するからこその収集なのだろうけど、「キシュ島の物語」という映画を思い出した。
イスラム化後は文化としての幅は狭まる。表現も植物文様のみになる。そのかわり目立つのが文字表現の多様化。アラビア文字にはいろいろな書体があっていわゆる書道的なものがあるのは知っていたが、かなりのバリエーションがある。墓碑をずらりと並べていたのだが、時代や地域の流行や好みもあるのだろうけど、さまざまなものがあって興味深かった。
もっとも、イスラム化以前の文字も同様な傾向はある。アラビア文字普及前にはさまざまな文字が各地にあり、それもあわせて展示されていたのだが、その時点でも同じ文字でも字体のバリエーションがある。文字の表記に関する興味はもともと強いのだろう。

いい展示だった。1年くらい借りられないかなぁ・・・もっと沢山の人に見て欲しいなぁと思う。


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