東京の片隅から
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| 2018年02月04日(日) |
あたしおかあさんだけどヲタクだしライヴいくよ |
「あたしおかあさんだから」という歌の歌詞が怖い、というので、怖いもの見たさに(笑)検索してみた。
「あたし」という一人称がそこはかとなく80年代ヤンキー臭がするのは置いておいて、以下一部抜粋。かっこ内は私のツッコミ。 ざっと見たときに思ったのは表現というか言葉の選び方が稚拙だな・・・という感じ。
一人暮らししてたの おかあさんになるまえ (←結婚前ってこと?) ヒールはいて ネイルして (←お堅い系会社員だとむしろネイル禁止だけどなぁ・・・まぁそれはいいや) 立派に働けるって 強がってた (←いや働くのは強がりじゃなくて当たり前のことだし、「がんばってた」でも文字数同じだよね、「強がる」という表現に「しょせん女は男と同等に働けないんだよ」という悪意を感じる。) 今は爪切るわ 子供と遊ぶため (←そもそも家事するのに長い爪いらなくない?) 走れる服着るの パートいくから (←どんな服でも走れますw7cmヒールでも必要があればダッシュするぜ?それになぜいきなりパート?文字数同じ「しごと」で良くない?あと正直そこまで手がかかる年齢の子どもがいたらパート採用も難しいと思う・・・) あたし おかあさんだから 眠いまま朝5時に起きるの (←「お母さんだから」じゃなくて「やることがあるから」だよね。家事でも仕事でも学校の宿題でも必要があれば起きる) (以下略)
この下に延々と「あたしおかあさんだから」あれもこれも子供優先で我慢してるの、と続くわけで、そりゃ「呪い」と言われてもしかたないのであった。 ネタをフェイスブックで募集したと言うから、一面ではリアルな真実なんだろう。ただ、そもそも「我慢してること」でネタ募集した時点で、彼の脳内には「お母さんは全部我慢して24時間100%尽くすべき」という固定観念があるだろうし、コメントを寄せるのは彼のファンというか同調者がほとんどだろうし、その中から自分のイメージに合うやつだけピックアップして「一番ガマンしていること」を一人のお母さんに合成にした結果、とんでもないやりがい搾取というかブラック感が漂うお母さん像ができあがってしまったわけた、彼にとっては理想のお母さんなんだろう。でも、そのトゥーマッチさに気がつかなかったというのは、やはり言葉に対して鈍感なのではないかと思う。 そして、フォローとなるべき一言が歌の最後にしかないというのは、そこにたどり着く前に聞く側が疲弊してしまう。 お母さんへの応援歌を意図したらしいのだが、今の自分を肯定したいがためにそれまでの自分を貶めるような書き方をしていているのも気になる。自己憐憫に浸りたい人には嵌まるのかもしれないが、言葉の選び方に悪意がある。無意識だったら作者はかなりモラハラ気質の人だと思う。どういう雇用形態にせよワーキングマザーが多い現在では敵を生むのは当然だろう。
作詞は絵本作家の人で、そもそも彼の作品はいろいろ物議を醸したりもしているらしい。 彼自身、自分と親(特に母親)と確執があるらしく、まだ関係が消化しきれてなく、自分の中のインナーチャイルドとの折り合いをまだつけられていないんだろうなぁと思う。 この歌は世の中のお母さんみんなに向けて歌った曲ではなく、彼の「こうあって欲しかった脳内お母さん」の歌だと思えば、あぁそういう歌もあるのね、とスルーできると思う。 あと、必要以上に押しつけがましいのが、作詞者と歌唱者が両方とも男性というところにあると思う。「絵本作家」と「元歌のお兄さん」という「お母さんの味方」的なポジションの人から言われたら、当人は意図していなくてもプレッシャーをかけているのと同じだ。
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