東京の片隅から
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2016年12月20日(火) |
吉野朔実「いつか緑の花束に」 |
吉野朔実最終作「いつか緑の花束に」読了。 急逝したので正しくは遺作集なのだろうけど、そう言いたくない自分がどこかにいる。 しかし最終作の題名に入る「花束」。彼女のデビューが「ぶ〜け」であったことを考えると、妙な符合。
初めて?SF的な世界観が見られる「MOTHER」寓話的な「JOKER」を初めとした短編、どれもこれまでの吉野さんとはズレがあり、だからこそ10年以上前の作品も今回初収録なのだろうけど、書きかけのMOTHERネームにしても、本当にどうして急にいなくなってしまったのかという喪失感が募るばかり。続きが読みたい。
庭の木についていた蝶の蛹が羽化するのを楽しみにしていたら、ある朝突然なくなってしまっていたような、そんな喪失感。
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