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2003年02月16日(日)
◆『バレエの美神』(最終日) 出演者:プリセツカヤ、ジュド、ハート、ルジマートフ、他…レニングラード国立バレエ

雨の日曜日。開演は午後3:30からでした。


【第1部】

『眠りの森の美女』ローズアダージョ (E・エフセーエワ、& シヴァコフ、モロゾフ、クリギン、リャブコフ&レニングラード国立バレエ)美術、背景

エフセーエワのオーロラ姫は、あまり初日見た印象とあまり変わりません。相変わらず表情豊か。本当にまだ大人になりきっていない、両親に可愛がられてすくすく育った娘という印象です。元気良く踊ってますが、スポーティーではなく甘―い感じ。


『パ・ド・カトル』 (シェスタコワ、ペレン、ハビブリナ、クチュルク)
初日よりも面白く感じました。シェスタコワは細く長い腕の動きが繊細で美しい。
ペレンは、前から思っていましたが、表情が硬くつまらなそうに見えてしまうところが苦手でした。今回は堂々としていて貫禄もあり、動きは良いと思ったけれど、もっと笑顔が自然に出来るようになればいいのですが...。
ハビブリナは4人の中で一番体格よく、こういった作品では前世代のバレリーナ風に見えて私は好ましいと思いました。
クチュルクはしっとりした雰囲気の踊りを見せてくれました。容貌も美人さん。


『眠れる森の美女』グラン・パ・ド・ドゥ (ヴィシニョーワ・コルプ)
最終日だけ追加上演してくれた演目。特別だったのか、今まで断っていたのか、光藍社のHPではプロに含まれてる時期が会ったと思いますが…。
レニングラードバレエの『海賊』出る出ない問題を見てしまっただけに、気難しいのかなどと思っちゃいましたよ。
まぁ 踊ってくれたんで、嬉しかったけど…。
ヴィシニョーワの踊りは、やっぱりいつも間違いなく良いんですが、最高な状態の時は、よりもっと良かった気がします。
『チャイコ・パ・ド・ドゥ』のときは、伸びやかで彼女の強い個性に合っていると思われるのですけど、オーロラは抑制している部分も含め、作りこみすぎている印象もあり…。
でも輝いていてオーラは凄いです。今後は演技や、繊細な部分も見てみたいな。素晴らしい逸材だけに…。
コルプの成長ぶりも確認できました。前回キーロフ来日公演の時の軟弱っぽい王子から頼れる王子に変身してしていて…。(コルプの顔って何かボリショイ系に見えるんですけど…)


『ロメオとジュリエット』バルコニーの場 (ザハロワ、ファジェーエフ)階段のセット、(ラブロフスキー版)
初日は正直言って、ザハロワの高評価の噂ばかり耳にして、でも実際見てみるとサラッとして何か観客に伝わりきれていないような印象でした。
でもこの日は作品のもつ、繊細さ、強さ、美しさが前面に出ていて心のもやもやが取れました。本当に良かった。
なぜかウラノワの『ロメ・ジュリ』映像を急に思い出して切ない気持ちになったり、とにかく美しい。
腕、足のフォルムのよさ、ポエジー溢れていて短い時間でしたがのめり込んで見てました。ファジェーエフも情熱的で良かった。


『ドン・キ・ホーテ』グラン・パ・ド・ドゥ (フィリピエワ・マトヴィエンコ、レニングラード国立バレエ)
相変わらず達者な2人。前回同様やっぱり大盛り上がりでした。安心、安心。


【第2部】

『ラ・シルフィード』グラン・パ・ド・ドゥ (レドフスカヤ・クズネツォフ、レニングラード国立バレエ)背景
レドフスカヤはやっぱり好き。本当に軽やかで清潔で柔らかで。嫌な癖が全く無く、優しい雰囲気をかもし出します。
クズネツォフ君は人柄が滲み出るような、好青年ジェームズでした。今回のほうがより良くなった気がします。


『シンデレラ』グラン・パ・ド・ドゥ (シェフェール・ローラント)
2度目に見た印象は。いやぁーローラント君の追いかけぶりが、エッチっぽい(あの目線)。かなりしつこい男&まんざらでもない女。なんて見方をしてしまいました。(笑)


『牧神の午後』 (プリセツカヤ・ジュドー、レニングラード国立バレエ)背景
ジュドは相変わらず表現力のあるダンサーだと実感。いつまでも見ていたかったなぁ。上品&セクシー牧神でした。
プリセツカヤは初日より大げさ演技は抑えられてました。
もう“ザ・存在感”な人。
でもこの方のエンディング登場芸は長く見ていたいです。はい。
ニンフ達は幾分初日よりあわてて無いですが、まだまだ…。


『ライモンダ』グラン・パ・ド・ドゥ (マハリナ・マトヴィエンコ)
マハリナは相変わらず豪華。特にこの日は音楽のテンポも緩急つけられて、キメる所、たーぷり魅せるところ、特にソロは酔わせていただきました。
エキゾティックな演目(音楽)にピッタリとハマるお人だわ。
逆にオーロラ役とか、今は想像出来ないけれど。(見た事あるが…)
マトヴィエンコ君は元気いっぱい頑張ってました。
でもお相手は、頑丈な“男”って感じの人で見てみたかったな。


『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』 (ヴィシニョーワ・コルプ)
見た事無い人は、是非見てほしい。もう職人芸。最高です。ヴィシニョーワの『チャイ・パド』を見ずしてヴィシを語るなかれ。(笑)
あのスムースさと粘っこさ、余裕ある表情。全てが絡み合い、誰も真似し得ない究極のパ・ド・ドゥに…。やっぱり一番彼女の個性に合っていると思います。
おまけのように書きますが、コルプも素晴らしかった。昔よりホント、力強いし柔軟。


【第3部】

『ジゼル』第2幕 (ハート・ルジマートフ、)レニングラード国立バレエ)美術、背景アリ
やっぱりメロウな独自の陶酔世界でした。ルジマートフ以外にこのような雰囲気のお方はいらっしゃいませんね。この先どのような芸に到達するか見守っていきたいと思ってますが…。
さて、今回は暖かく見守る母と、生きる術を知らなくて泣きじゃくっているような(イメージ)息子のような印象。ルジは最後の方ではいわゆる自立している大人、あるいは男っぽさはまるで無く、ただただ別れるのが受け入れられなくて駄々っ子のように悲しんでた子供のような印象。(母性本能くすぐられる人多いのでは、)
逆にハートは、ウィリーに狙われたアルブレヒトを、絶対に守るんだと、毅然とした強さをみせ、母が息子に見せるような、自愛に満ちた優しさを彼に対し垣間見せていました。 とこんな風に感じましたが…。


◆【カーテンコール】 (全員)
前回と同じ、女王プリセツカヤを讃える演出。 この日はジュドも牧神のふん装のまま登場していました。
そして最終日ということで華やかに舞台天井からキラキラテープとキラキラ紙ふぶきの演出。この瞬間のなんて綺麗なこと! ダンサーの表情も輝きます。
3部構成なので長かったけれど、素晴らしい数々の作品とスターたちを堪能できました。よかったー