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2003年02月14日(金)
◆『バレエの美神』(初日) 出演者:プリセツカヤ、ジュド、ハート、ルジマートフ、他…レニングラード国立バレエ


仕事を早々と切り上げ、急ぎオーチャードホールヘ。この公演は、出演者がケガや、所属バレエ団の都合など、たびたび変更がなされましたが、観客が満足するような沢山のスターが集結し素晴らしいパフォーマンスを見(魅)せて下さいました。

【第1部】

『眠りの森の美女』ローズアダージョ (E・エフセーエワ、& シヴァコフ、モロゾフ、クリギン、リャブコフ&レニングラード国立バレエ)美術、背景アリ 
幕が開いたら、ガラ公演だというのに、美しい宮殿の庭に貴族たち、そして音楽と共に四人の王子や女官達などたくさんのコール・ドが現われ、オーロラ姫役のエフセーエワが登場しました。天性のものと言ってよいほど、非常に表情豊かで初々しく無邪気感じのオーロラという印象を最初に持ちました。
バランスも安定していましたし、アチチュードの高さもかなり高い位置でキープされていました。レニングラード国立バレエ団の期待の若手、エフセーエワは2001年のワガノワバレエ学校の日本公演でも主役を踊り注目を集めました。
今も変わらず愛らしい雰囲気。
まだ若いですが、観客に表現をうったえる力も備わっていると感じました。
そして、このチャイコフスキーの『眠り』ローズアダージョですが、こんなに幸福感を感じられる音楽を私は他に知りません。開幕から美しい場面にウットリしました。

『パ・ド・カトル』 (シェスタコワ、ペレン、ハビブリナ、クチュルク)
薄いピンクの柔らかい布地のロマンティックチュチュ姿の4名のソリスト。音楽といい振り付けといい大変クラシカルな作品ですね。
個性をそれぞれ出すのは限られていますので、なんとも言いにくいのですが、あの優雅で柔らかい腕の動きはワガノワメソッドの真骨頂でしょうか。

『ロメオとジュリエット』バルコニーの場 (ザハロワ、ファジェーエフ)階段のセット、(ラブロフスキー版)
キーロフの若手による美しいドラマティックな場面の再現ですが、終始繊細なジュリエットと若さ溢れるロメオという感じでした。
どちらかというとマクラミン版の激しく情熱的なバルコニーシーンを見慣れてましたので、とりわけ今回は上品な印象。抑え切れないほどの気持ちの爆発というよりも、純な心をもつ若い2人美しい逢瀬という印象が強いです。
しかし、演奏に関しては、音に厚みがなく、切れ切れな感じがして残念に思いました。本当はもっと盛り上がるはずですよ。

『ドン・キ・ホーテ』グラン・パ・ド・ドゥ (フィリピエワ・マトヴィエンコ、レニングラード国立バレエ)
ガラ公演には付き物の、この『ドンキ』ですが、今回は、レニングラード国立バレエのソロ部分&コール・ドも入り(しかも金色の衣装)より華やかに1部を締めくくりました。
さて、フィリピエワ、マトヴィエンコのカップルですが、もうこの演目お手の物とばかり、難しいテクニックを完璧にこなし、凄い拍手を受けていました。お互いに慣れて信頼している相手ですので、余裕もあり魅せてくれます。
フィリピエワのフェッテは片手を腰位置にキープしたままの難しいポーズでダブルも入れて回りきっていましたし、バランスを長く取ったりと観客の目線を釘付けにしました。マトヴィエンコはピルエットにしろジャンプ系のテクも際立つ巧さで、しかも爆発力があるので見ていて気持ちよかったです。

【第2部】

ラ・シルフィード』グラン・パ・ド・ドゥ (レドフスカヤ・クズネツォフ、レニングラード国立バレエ)背景アリ
美しい森の背景とシルフィード達。
絵のような場面の中にレドフスカヤ。シルフィードはガラ公演では、ジェームズ役の男性より目立たない気がしますが、しかしレドフスカヤが踊ると何ともたおやかで優しい雰囲気の舞台になるような印象をいつも持ってます。
ジゼル、ジュリエット、キトリ何を踊っても素晴らしいですし、余分な力が入らない自然な感じが好きです。今回は拝見できて良かった思うと同時に、演目的にもったいなかったかなとも感じてしまいます。クズネツォフもいい人そうなイメージでカッチリ踊ってましたが、私にはセルゲイ・フィーリンの素晴らしいジェームズが頭に残っていて…。

『シンデレラ』グラン・パ・ド・ドゥ (シェフェール・ローラント)
モダンな作品もガラの中に挿入してくれて、公演全体としてのいい清涼剤となり、私的には嬉しかったです。観客にも喜ばれてましたし…。
ああ、でも、取りやめになった、マイヨー振り付けの新作『LA BELLE』が気になるー。
パンフによると《水を湛えた川を思わせる背景の中、長い長いキスを交わしながら抱擁するふたり。
究極の愛のパ・ド・ドゥが期待出来そうだ》とあります。見ときたかったなぁ。
(2004年7月モンテカルロバレエ来日公演でLA BELLEは上演予定とのこと)

『牧神の午後』 (プリセツカヤ・ジュドー、レニングラード国立バレエ)背景アリ
この作品、色彩感がある音楽も好きですし、何よりもジュドの牧神を生で見られるチャンスだと思い楽しみにしていました。(ビデオ版好きだったので)
ジュド、良かったです。
今まで他の人が演じたのを見ると、何か、ぼやけた印象を持ってしまい、私の中でジュドの牧神がどうしても基本になってしまっていたので…。
役を選び、まだ暫らく踊り続けて戴きたいと願っています。
プリセツカヤのオーラはさすがと思いますが、恐怖を感じた演技が、ちょっとオーバーに感じました。
でも考えぬいた演技というのは伝わりましたし、何より舞台に立ってくれたことに意義があるのですよね。
あと、コール・ドのニンフが最悪。なれていないのか、それぞれのグループがバラバラでしたし、合わなくて、手を引っ張って退散とか、何か慌てていた感じがしました。ギリシャの壷の連続模様からヒントに作られた作品ですので、独自のフォーム、スタイルを守って演じてほしかったです。

『ライモンダ』グラン・パ・ド・ドゥ (マハリナ・マトヴィエンコ)
マハリナは大好きなバレリーナで、今まで色々見てきましたが、『ライモンダ』は初めてです。
マリインスキー劇場でグリゴローヴィチ版『ライモンダ』を初演する際、彼女がタイトルロール踊ったそうで、思い入れもあるのではないでしょうか。
衣装は、ボリショイと同じ様なデザインで、あそこよりもくすみの無い鮮やかな青でした。
踊りは、ロイヤル、パリオペラ座よりも間のアクセントをつけない、あまり硬くキッチリしすぎない印象。それにしても艶やかで迫力あり、彼女が登場するとくすんだ背景でも(今回かなり地味寂しいバック)、華やかな場面に見えてしまいます。
再び登場したマトヴィエンコは立派に努めていましたが、大きなマハリナと組むと身長と体格が合わない気がしました。
中世十字軍の騎士というよりチャーミングさが際立った印象ですが、踊り的には申し分なく、急遽変わった代役を見事に果たしていたと思います。

『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』 (ヴィシニョーワ・コルプ)
いやー見事の一言。ヴィシニョーワ凄いです。
この演目を踊るダンサーの中で彼女が一番上手なのではないでしょうか。
ゼレンスキーと組んだ時のほうがいい印象ですが、盛り上げまくりですね。
何というか、パとパのつながりがすごくスムーズで、スピードもあり、アクセントや安定感もあり、自信を持って踊っているのがビシビシ感じます。
コルプも素晴らしかったと思いますが、ヴィシニョーワの印象が何より強すぎて…。

『ジゼル』第2幕 (ハート・ルジマートフ、)レニングラード国立バレエ)美術、背景アリ
特別に演出された『ジゼル』のようで、ルジマートフの花を持って登場するシーンがかなり長く演じられ、既にどっぷりと役に入り込んでいるように感じられました。今回の衣装は中世風でベレー帽を被り、現代的とは全く逆のメランコリーな世界に観客を引き込んでいきます。実に静かな世界。
ハートはというと、何かその美しい世界が心地よく感じられ、どのような演技をするか観察するということが出来なくなり、ああだった、こうだったと思い出せない状況です。
次回は集中力を保っておかなくては。印象的なのは、ルジの演技で、最後夜明けと共にジゼルと別れなければならないシーン。
夢の中をボーと彷徨っているような演技から、ジゼルが消え、突如我に返り、未練と悔恨の気持ちがわいてきて、ジゼルの墓の前に倒れこみ、我を失うように激しく嗚咽が聞こえるんじゃないかと思われる程悲しむというもの。
とてもメロドラマでした。毎日きっと演技を変えると思いますので、この次見るときはどんな風になるでしょうか。楽しみです。

【カーテンコール】 (全員)
面白かった。『眠り』の最後のマズルカの音楽を使って組ごとに登場します。
マトビエンコはフィリピエワと出てから、一旦戻り、マハリナのエスコートをし、そのまま一緒にいました。
ジュドは普段着のカジュアルな黒上下に着替え済み。
アポテオーズの音楽に変わり、女王のようにプリセツカヤが登場。謁見するかのようにずらりと並んだダンサーに目線を送ると皆がハハァーという感じで順番にお辞儀をしてゆきます。
もう完璧、特別扱い。あの出方はチョット笑えました。毎度のことですが、すごい…。私的にはツボでした。(笑)

【おまけ】楽屋口にて、
通りかかった楽屋出口にちょうどジュドがいらっしゃってました。(着替えていたから早い?)
全員に言える事ですが、実際は顔も背丈も舞台で見るより小さいのですね。
丁寧に対応しており、優しい笑顔が印象的。続いて、モンテカルロの2人、特にかなり長い間ローラントさんはファンと話をしたり長い間対応していました。
マハリナは一通りサインに応じて、タクシーに乗った後も、ずっと後ろを振り返って手を振り続けていました。他、皆さん、結構ファンサービスしているのですね。
クズネツォフさん等自分のブロマイド?みたいなのを沢山配ってましたし。
何となく暫らく見てた私ですが、食事の予約していたので立ち去りました。
その日は遅くまで盛り上がりました。(終電間に合わなかったー)