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■■ 喜びとかなしみ
2005年01月21日(金)

「対岸の彼女」で見事直木賞を受賞した角田光代さん。芥川賞、直木賞などの候補になりながらも、11回落選、12回目での受賞だった。彼女が受賞の知らせを受けたのは、彼女のお母さんの葬儀が終わった四日後だったそうだ。そのときの心情を語る短い手記が読売新聞に載っていた。読みながら、自分の経験と重なって胸が苦しくなった。
角田光代さんは、かなしみと喜びをほとんど同時に体験した。新聞の手記のなかで、彼女はこういっている。「直木賞を受賞するということがどんなことか、私にはまだわからない。母がもういない、ということもおんなじようにわからない。わかることはただひとつ、喜びはかなしみを消去はしないし、かなしみが喜びをおびやかすことはない、ということだ。」そして、このふたつの混じり合うことのない感情、喜びの意味もかなしみの意味も、たぶん、書くことでわかろうとしていくんだと思う、という。
私は物書きではないので、書くことでわかることはできないかもしれないけれども、私もこれから、一生をかけて、よろこびの意味とかなしみの意味を毎日の生活を通してわかっていきたいと思う。死の瞬間までかかってしまうのかもしれないけれど。
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