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■■ Bitters and Sweets
2003年02月16日(日)
おとといくらいからずっとひどい偏頭痛に悩まされ、かなり辛かった。今回の偏頭痛は左側のおでこの辺りだ。いつも、左側だけどその時によって後頭部だったり耳の上の辺りだったり、首の付け根のところだったり色々だ。左脳って、確か言語とか数字とか論理的な部分を司る脳で、右脳が感覚的、芸術的な部分を司る脳だったはずだ。そう言えば、最近の私はすっかり左脳的な思考に偏っている気がする。(ハイパー時は特にそうだった。)あまり芸術とかに触れていない。いい音楽を聴いたり、きれいな絵を観たり、脳がリラックスするようなこととは縁遠くなっている。だから、左脳がオーバーヒートしているのかもしれない。
今日は、朝から冷たい雨が降っていたし、もらった林檎がたくさんあったので、久しぶりにケーキでも焼こうと思いたってアップルパイを焼くことにした。お菓子作りなら左脳はあんまり使わないし、少しはリラックスできるに違いない。それに、料理作りもそうだけど、想像力を働かせられるのが楽しい。お菓子の場合、基本の分量さえ守れば、あとは工夫次第で色々なバラエティーのあるもの(味も形も)が出来上あがる。そして、大抵の人は、お菓子をみるとやさしい気持になって、食べると幸せな気持になる。私は甘いものが大好きというわけではないけれど、やっぱり甘いものがあると幸せな気分になる。小さい頃のほろ甘い記憶がよみがえるからだろうか。「ショコラ」という不思議な映画があった。古い因習に未だに縛られているフランスの小さな村に、ある日、ジュリエット・ビノシュ演じる母と小さな娘が北風と共にやって来てチョコレートショップを開く。村長は、キリスト教の断食の時期にそんなものを開くとはとんでもない、と店には行かないように村人に忠告するのだが、村人達は人目を忍んで一人、二人と村人が彼女の店に訪れる。彼女は不思議なことに、店を訪れる人の好みのチョコレートをピタリと当てて、それを食べた彼らはみんな幸せな気分になってしまう、というような話だ。この映画を観ると間違えなくチョコレートを食べたくなってしまう。チョコレート然り、甘いお菓子には、食べた人を無条件で幸せにしてしまう何か不思議な力があるような気がする。人生の苦味から一瞬でも逃避できるからか。出来上がったアップルパイは思いのほか美味しくて、頭痛も和らいでちょっとだけ幸せな気分になれた。
夜、空を見ると昼間の冷たい雨が嘘のように晴れあがっていた。ぴかぴかの月が東の空に昇っている。そうか、今日は満月だったんだ。
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