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北米ノースカロライナ、アパラチア山脈のただ中に住む人々の暮らしと クリスマスへの特別な思いを、戦地へ行った父の留守を守る 母娘の姿とともに、細やかに描いた名作絵本。
「松ガ森」の村では、教会に立てるクリスマスツリーを、 毎年、家々持ち回りで選んでいた。 それぞれが好きな木を選ぶので、月桂樹が選ばれることもある。 ルーシーの家がその役目をもらった年、 大好きなパパが、 兵士として遠い外国へ出征してゆく。 第一次大戦の時代である。
今年は、険しい岩山に立つバルサムモミをツリーに しようと決めて、木に印のリボンをつけてあったのに、 その木を選んだパパは、なかなか帰ってこない。 家計もどんどん苦しくなる。
聖夜の降誕劇で、ツリーを立てる家の子は、 美しい天使の役をもらえることになっている。 とうとう、クリスマスイブが来て・・・
ルーシーに起こったクリスマスの奇跡もすばらしいけれど、 ルーシーの母親が体現している、質素で信仰に篤い村の暮らし、 戦時下の窮乏、物を大事に使う心といった「あのころ」が、 アパラチアの自然や風物とともに、胸をうるおす。
岩山の上にしっかりと根を張って立つ、 緑のモミの木には、アメリカ人の開拓魂や 遠くヨーロッパからやってきた人々の、貧しくても 自由な暮らしへの思いがシンボライズされているのだろう。
原題は『The Year of The Perfect Christmas Tree』、 アメリカで1988年に出版され、解説によれば、 村のツリーを毎年ちがう家族が立てるという古くからの ならわしは、世界的によく知られたクリスマスツリーの エピソードだという。
日本でもクリスマス絵本の 古典となっている作品。 (マーズ)
『おもいでのクリスマスツリー』(絵本)著者:グロリア・ヒューストン 絵:バーバラ・クーニー / 訳:吉田新一 / 出版社:ほるぷ出版1991
2001年12月13日(木) 『骨と沈黙』
2000年12月13日(水) 『私のしあわせ図鑑』
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管理者:お天気猫や
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