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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2004年07月01日(木) --

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『くまのローラ』

オランダの作家と画家が贈る、おもちゃ文学。

テディベアというと、一般的には男の子。 だけど、この主人公、ローラはちがう。 人間の女の子顔負けで、大人しくもない。 人間の女の子、ノールのもとに マーヤンおばさん(この名前もなかなかすてき)が もってきてくれたローラは、 本当はパンダが好きだというノールの気持ちを ちゃんと知っていて、最初すねてみせる。 そして、ノールの心をがっちり、つかんでしまうのだ。 もちろん、読者の気持ちも。

お母さんがいなくなってお父さんと二人暮らしのノールに とって、ローラは友達であり、タオル(涙をふく)であり、 なんとなくいろんなことを教わる人生の先輩でもある。

生クリームやチョコレートをどっさり入れた 「ローラ・スープ」を作ったりするローラは、 ぬいぐるみだけど、何でも食べるし、 もちろんケンカっぱやいし、 自称「べりべり」という病気にもなったりする。 男の子のクマと、恋だってするのだ!

ローラはまるで、この家にきたもう一人の女の子。 どう見てもクマだし、 ローラの言葉はノールにしか聞こえないが、 それ以外は、女の子と同じ。

訳がこなれていて、セリフも絵にぴったり。 あちこちに出てくるオランダらしい風物も、 英米の児童書とはちがった面白さがある。

ときどき、ノールが心配になってしまうけど、 ローラはマイペースで、自分の人生を生きてゆく。 そして最後に、ノールにプレゼントがとどく。 まだクマが必要なノールに、ローラから愛をこめて。 (マーズ)


『くまのローラ』著者:トルード・デ・ヨング / 絵:ジョージーン・オーバーワーター / 訳:横山和子 / 出版社:福音館書店1994

2002年07月01日(月) 「テディベアの夜に」

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