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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2004年03月11日(木) --

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『あの日を探して』

このリンダは、ちょっとハード。 いや、いつもハードではあるけれど、 二人の設定がすでに越えられないような柵を 感じさせて、どうなることかと思わされる。

ヒロインのフェイスは、当時14歳、赤毛で街中の評判だった 浮気性の母親にそっくりだが、内面はまったくちがう。 その夜(原題は『アフター・ザ・ナイト』)、 フェイスの母親レネイと、自分の父親ガイが駆け落ちしたと 信じた青年、グレイによって、 フェイスの家族は強制退去させられ、散り散りになる。 ルイヤードの一族には、それほどの影響力があった。

そして12年後。 ビジネスで成功したフェイスは、自分をさげすんだ 街へ、その街を牛耳るグレイ、かつてあれほど あこがれたグレイのいる故郷へ戻ってくる。 抵抗しがたく惹かれあう二人の愛憎と、 グレイの父親の謎を追うラブ・サスペンス。

話はそれるが、他の作品でもそうだが、 本書でもニューオーリンズの街が登場し、 ニューオーリンズの男性も描かれる。 リンダ・ハワードを何冊も読んでいると、 アメリカ南部、アラバマやニューオーリンズの 男達のイメージが、勝手に形成されてくる。 ビジュアル面では映画のようにはいかないけれど、 彼らの女性への接し方にしてもそうだし、 南部というところがどういう空気を 生きているのか、だんだんにわかってくる ような気がしてしまう。

今回、魅力的だった(グレイは別として)のは 私立探偵のプレザント。フェイスの父親ほどの 年齢で、妻を亡くしたばかりである。

「あなたはクライアントで、お目にかかった ばかりだというのに、気がついたら 肩をお借りして泣いていた」(引用)

やっぱり、南部なのだ。 (マーズ)


『あの日を探して』著者:リンダ・ハワード / 訳:林啓恵 / 出版社:二見文庫2001

2002年03月11日(月) 『村上レシピ』

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