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あとがきに、こう書いている。
僕の作品は、ずいぶん前から、同じことばかり 言ってきたような気がする。 だからといって、昨日と違うことを言う街に 住みたいとは思わない。 たぶん、それが僕の歩き方なのだ。
たぶん、私たちがますむらひろしに求める ものは、マンネリを越えた永遠に不可侵の世界であり、 夏のプールのあとで耳から出る水みたいに、 じゅっとなるような感覚なのだろう。
右ページにはショートストーリーが、 左ページには一葉の漫画が描かれ、 ペンギンたちの島での体験がつづられる。
ここにはあの大猫は出てこないけれど、 やはり不思議は生え、そして降る。 80年代に描かれたという丸みのあるラインには アタゴオルとは少しちがう時間が流れているようだ。
とはいえ、後半の連続中編、キリコという水晶のペンギンが 登場する話は、どこかヒデヨシの子育てを思い出させる。 ペンギンの島のフランケンシュタインは、 やがて動きをとめるけれど、 最後に何かを約束してくれるようでもある。
降りることを忘れる闇月鉄道に乗ってしまったような ぐるぐるまわりの日々を送りながら、 これからもずっと、 ますむらひろしの本を開く楽しみを。
とりあえずは、下巻も読みたい。 (マーズ)
『カリン島見聞記(上)』 著者・絵:ますむらひろし / 出版社:ポプラ社2003
2003年02月13日(木) 『まいごになったおにんぎょう』
2002年02月13日(水) 『ミッドナイト・ブルー』
2001年02月13日(火) 『ファッションデザイナー』その(2)
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管理者:お天気猫や
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