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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2004年01月26日(月) --

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『クマのプーさん』

プーさんといえば、クマ。 クマといえば、プー。 私の部屋にも、もう「せんに」やってきた プーという名のクマがいるほど。 (外見はぜんぜん似てないけれど)

今、プーさんの第一作を読み返すと、 クリストファー・ロビンのことが気になって しまって、あれこれと心配してしまう。

たとえば、お父さんはいるけど、 お母さんはいないの? とか、 まだかなり幼いよね、それなのに ぬいぐるみの動物たちにとっては、 ものごとのわかった保護者と思われているのは 重荷じゃない?とか。

実際のクリストファー・ロビン本人は、 大人になって、この本の話をされるのを嫌がっていたという。 ミルンの自伝を読んでいないし、くわしい事情は わからないのだが、 プーさんを読むかぎり、ク・リが 大人になるための愛情をたっぷりもらっていたとは 思えない描写が、はしばしに顔をのぞかせるからだ。

そんなことは抜きにしても、 この本と続編の「プー横丁にたった家」は 世界中の読者に不変的な愛情を感じさせる価値観を与えた 児童文学の名作であることは確かだし、 邦訳もすばらしいと、改めて感じ入る。

抜きにしてもいいのだが、シェパードの絵にも、 クリストファー・ロビンのさびしさは にじみでていて、もしも、「ばっかなクマのやつ!」と 彼をよろこばせるプーさんがあれほど意図せざる詩人でなかったなら、 覆いようがなく、あらわれてくるのではないだろうか。

そんなことを思わずにはいられないのだ。

ウサギにそそのかされたとはいえ、 プーやコブタたちのいくつかの行為は、 平和な動物たちの森にはあるまじき 「ひっどい」ことだったという思いとともに。 (マーズ)


『クマのプーさん』 著者:A・A・ミルン / 絵:E・H・シェパード / 訳:石井桃子 / 出版社:岩波書店2000新版

2001年01月26日(金) 『サムシング・ブルー』

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