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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2003年12月22日(月) --

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『庭の小道から』

現実の私を知る人には なかなか信じてもらえないけれど、 私は本当のところ、外出好きでも社交的でもないうえに、 計画性というものがまるでない。

どちらかといえば、四六時中家にとじこもって、 本を読んだりしていたいし、庭だって 手入れしてみたいと思っている。

しかしこの、最後の『計画性』がなければ、 庭作りはうまくいかないらしい。

だから、今から園芸を始めたとしても、 ものになるまでには数年を要するだろうし、 しばらくは定期的に庭仕事をする時間の余裕も なさそうだ。

そういう人のためにも、この本はフィットする。 特に、庭が眠っている(ように見える)冬の夜、 本当は家にいたいのだけど、毎日出歩かねばならない人が、 ひとりで読むのに向いている。

英国生れの著者の、幼い頃からの庭への想いが ぎっしりとつまっているれど、アドバイスも 押し付けがましくはない。 英国テイストいっぱいの庭づくりへの誘いが、 ページごとに細やかなイラストとともに展開する。 鉢植えの庭、野菜の庭、夜の庭などのエッセイ、 蝶々の好きな植物のリストなど、 太陽の光にも似て、いろんな方向から心をあたためて くれるだろう。

ああ、それにしても、夏の終わりに買ったつもりだった 黄色い大きな水仙の球根は、いったいどこへ 消え去ってしまったのだろう。 これほど探してもないのなら、きっと買わなかったのだ。 ただ、その球根を手にとって、春先の庭の様子を夢見た時間は 贈りものだったのだけれど。

「わたしの心の中にある理想的な空想の庭は、永久に たどりつけない、手に入らないところにあります。 夢の中でしか通れない扉の向こうにあるのです。」(/引用)

(マーズ)


『庭の小道から』 著者:スーザン・ヒル / 絵:アンジェラ・バレット / 訳:新倉せいこ / 出版社:西村書店1992

2000年12月22日(金) 『クリスマスってなあに』

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