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夢の図書館新館

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-- 2003年11月18日(火) --

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☆教科書を、読む?(その1)

■ 国語の教科書作品、全部読みましたか?

大学生の頃、友人が、 「教科書で取り上げられていた作品は全部、本で読んだ」 と言った時、正直、とても驚いた。 学生の頃から、本を読むことは好きだったけれど、 どうしても、教科書の作品群をわざわざ本で読もうとは思えなかった。 そんなことを言ったら、友人は、 読書家じゃなかったから、教科書を読もうと思ったのだ、と。 好みの本も作家も分からなかったから、とりあえず教科書作品を読んだと、 付け加えた。
なるほど。
教科書と、そういうつきあい方もあるのだなと、 妙に感心した。 そうか、教科書は、読書指南のガイドブックだったのか。

私にとって、国語の教科書は、割とつまらないものだった。 作品がつまらなくも思えたし、 みんなが同じ思いを共有しなければならないような、 作品それぞれへの意味づけが、よけいなことのようにも思えた。

それに、小学生の頃のどうにも苦しかった授業の思い出とかも、 若干影を落としている。 国語の時間はつまらないと。 小学校3・4年生のころ勉強した「ごんぎつね」は、 ラストの非情とも思える悲劇に授業中にもかかわらず、 涙がこぼれそうになった。 今でも心に深く残る物語であるが、 あのころは、その感動は長くは続かなかった。

当時の先生は、時間ができると書写と称して、 教科書の書き写しを課した。 どんなに大好きだった「ごんぎつね」でも、 その日、その時間のノルマを果たすために、 ただただ文字を書き連ねることだけを繰り返していれば、 感動もへったくれもない。 おまけとして、スピードまで要求されるこの書写で、 クラスの大半の子が字が下手になっていったのだった。(つづく) (シィアル)


『ごんぎつね 最後の胡弓ひき ほか十四編』 著者:新美南吉 / 出版社:講談社文庫1972 『ごんぎつね―新美南吉童話集』/ 出版社:偕成社文庫1982

2002年11月18日(月) 『ゆき』
2000年11月18日(土) 『心霊写真』

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