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クリスマスの前に読みたいと思っていた絵本。 どこか寒い地方の街角で、ゆきが空から降ってくる 様子を描きながら、淡々と、 大衆への風刺や、無垢な者のよろこびを グレーの空の下に、そっとひろげる。
ゆきを最初にみつけるのは、犬をつれた少年。 ひとひらのゆきを見つけて、うれしくて たまらない少年…かつて私たちがそうであった ように。
でも、だれも気付かないし、認めようとしない。 いつになったらわかるのだろう? なぜ、見ようとしないのだろう?
空も建物も、すべてがグレーに、色をなくした街角で、 ゆきだけが、白くしずかにしずかに舞い降りてゆく。 なつかしい流行歌のように、 何かを思い出させるかのように、 現世の汚れを祓うかのように。
ゆきが降ってくる。 私たちのこころにもなにか、 そんなひとひらひとひらが積もっていって、 やがて私たちになる。 (マーズ)
『ゆき』 著者:ユリ・シュルヴィッツ / 訳:さくまゆみこ / 出版社:あすなろ書房
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管理者:お天気猫や
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