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人形の生涯は、ときに人間よりも長い。
『人形の家』でおもちゃ哲学を築いたゴッデンの、 一途で純粋な願いそのものを結晶にしたような短編。
主人公は、普通の人形のように、ドールハウスでぬくぬくと 着飾って暮らすのではなく、 ポケットのなかで暮らす『ポケット人形』になることを 決めた『子鬼の』ジェイン。
といっても、子鬼というのは人間の話の聞き違いから 思い込んだ名前。 実際のジェインは、きらきら光る茶色の目をした小さな人形。 しかし、男の子顔負けの冒険が大好きなジェインには ぴったりの名前である。
買われたジェインは世代を継いで子どもたちの持ちものとなる。 なのに、ジェインの望んでいる暮らしは、外に出て 誰かのポケットで暮らし、冒険することだから、満足することはない。 だから、ジェインは子どもたちに訴え続ける。 いつか、ジェインの願いを聞き分けてくれる子が あらわれることを信じて。
人形たちはもちろん話すことはできません。 できるのは、ただねがうことだけです。 ある人たちだけがそのねがいをかんじとるのです。 (/本文より)
ジェインはそんな子と出会えるだろうか? もちろん、出会えるのだ。 ジェインを必要としていた子が、ジェインとともに 成長すべき勇気の種をもって、あらわれる。 ジェインの冒険の始まりである。 (マーズ)
『元気なポケット人形』 著者:ルーマー・ゴッデン/ 絵:アドリエンヌ・アダムス / 訳:猪熊葉子 / 出版社:岩波書店(絶版)
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管理者:お天気猫や
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