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アルドは、だれにもいえない秘密。 うさぎの姿をしたアルド、背丈はわたしとおなじくらい。 たぶん、年もおなじくらい。 わたしだけに見える、マフラーをした灰色うさぎ。 ことばがなくても、わかりあえる。 そんなアルドがいるから、ひとりでもやっていける。
アルドがそばにいてくれることは、 わたしが特別、運がいいってこと。 にんげんのともだちなんかいなくても いつもひとりでいても、だいじょうぶ。
10年くらい前、この絵本をみたときは、 雲におおわれた陰鬱な空を想わされて、苦手に感じた。 特に、わたしとアルドが一緒に遊んでいる場面が 苦しくて。
うさぎのアルドは、絵本作家として知られる武井武雄の、 子ども時代のともだち「ミト」によく似ている。 ミトはうさぎではないけれど、アルドだってほんとうは うさぎじゃないのだから。
今、この絵本を見ているわたしは、かつてのわたしよりも 時間に対して寛大になったかのようだ。 アルドといっしょになんとか自分らしさを保っている「わたし」、 どこにでもいる平凡なひとりの少女の未来に、 以前には感じなかった明るさを想えるようになった。
みんながみんな、見えないアルドのはなしを聞いて 笑うとはかぎらないから。 (マーズ)
『アルド・わたしだけのひみつのともだち』 著者:ジョン・バーニンガム / 訳:谷川俊太郎 / 出版社:ほるぷ出版
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管理者:お天気猫や
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