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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2003年04月30日(水) --

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「てろんてろんちゃん」

☆森の迷子は、いついつ帰る。

白いうさぎのぬいぐるみ、てろんてろんちゃんの絵本。
ソフィーという女の子が、ひとりでブルーベルの咲く森へ
入って行って、てろんてろんちゃんを落としてしまうお話。

「てろんてろんちゃん」は、原題では「LOLLOPY」。
耳も腕も足も、てろんとしているから。
LOLLOPは、よたよたっと歩く意味だから、
ともかく、いつどんなときでも、くたっとしている
うさぎなのだろう。
たとえ、森のなかでおきざりにされても。

さて、てろんてろんちゃんは、夜の森で、
本物のうさぎの家族に出会って、やっと助かったと思えば
大変な目に会ったり、おかあさんうさぎに介抱されたりしながら、
おみやげをもって家に帰る。

ほっとさせられたのは、
森のおかあさんうさぎと、
てろんてろんちゃんの友だちのソフィーだけは、
てろんてろんちゃんの気持ちを聞くことができること。
耳をもちあげて、まっすぐ目を見つめれば。
まさにそのおかげで、てろんてろんちゃんは
帰ってこれたのだから。

描かれた女の子の部屋は、とてもかわいい。
ほのぐらいうさぎの巣穴もすてきだけど、
ソフィーの部屋は、外国の作家ならではの、
あたたかい動物のイメージ。
ブルーベルの花と、カエルのぬいぐるみが
どちらの部屋にもあるのが楽しかった。

作者のジョイス・デュンバーはイギリスの児童文学作家。
スーザン・バーレイも、イギリスの人気イラストレーター。
翻訳は江國香織で、この絵本が出た1992年には、
「こうばしい日々」が出版されている。
(マーズ)


「てろんてろんちゃん」 著者:ジョイス・デュンバー / 絵:スーザン・バーレイ / 訳:江國香織 / 出版社:ほるぷ出版

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