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『あこがれのフード仕事』についた女性たちを取材して、 フード関連の仕事に就くための学校案内や職域ガイドも 一冊にまとめられた入門書。
私はおそまきながらカフェを開こうとしているのでも、 フードコーディネーターや食品の輸入業や、 ソムリエになろうとあこがれているのでもない。 ただ、熱意のある人たちの取材本や、 ものをつくっていく過程のあれこれが好きなのだ。
一軒ごとのお店の取材は量としては少ないが、 いろんなお店のオーナーの体験をかいま見ていくうち、 どうしても、自分のまわりや、自分自身のやっていることと オーバーラップしてくる。
特に印象にのこったのは、ひとりは、 ケータリング業の女性。この方のバイタリティーとか 言ってることの雰囲気、まさに私の地方生まれの個性が そのまんま出ていて、ここにいたら、「えらもん」と 呼ばれるにちがいない。
もうひとりは、愛パン家という肩書きを好んで使うという パンの本や雑誌の執筆を手がける女性。 いろいろなパンをとにかく食べ歩くのが基本で、 まずいと思ったものはとりあげず、好き嫌いでいえば 「好き」だけを紹介するのだという。
かくいう私も、好きでここ数年、児童文学やファンタジーを 片端から読んで紹介しているが、おなじく、 まずいと思ったものは一切とりあげていない。
猫や三人三様で、なんのためにやっているかは それぞれちがう。 私も具体的に決まった目的があるわけではないし、 していることは筋肉トレーニングに近いと思う。いわば修行。 ともかく、今いる場所でこの分野を体系的に学ぶのは難しいだろうから、 勘と出会いを頼りに、10年くらいつづければ、 それ相当な知識と経験(読むという個人的体験)が たまっていくはずである。 こういうことは時間がかかる。 本は読み込まねばならないし、読み飛ばしては 意味がない。近道できないのだ。
たとえば、個人サイトで連載しているライフワークは、 私の怠けと遅さもあるが、 資料集めから執筆終了まで、10年近くかかりそうな見込み。 運がよければ今年中に終わるだろう。 どんなテーマでも、 部分的にあれこれ書くことは比較的時間がかからないが、 全体を知ってあれこれ書くには、やはり時間がかかる。 だからなのか、この分野でそういうことをしている人がいなくて、 それなら私が書こう、という気合だけは入っている。
書評らしきものにしても、 こんな行き当たりばったりの方法でいいだろうかと 思うこともしばしば。
しかし、やめればそこまで。
甘い夢で終わることのほうが、ずっと多いのだ。 いつの時代でも、それは同じ。 実体験から書かれていることは、業態がちがっても、 自分が迷っていることへの、ヒントになりうる。 だから私は、こういう本にひかれるのかもしれない。 (マーズ)
『フードの仕事』 著者:瀧清子 / 出版社:主婦の友社
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管理者:お天気猫や
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