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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2002年11月05日(火) --

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『小さなスプーンおばさん』

アニメ化もされたスプーンおばさんシリーズの原作。 ほかに、『スプーンおばさんのぼうけん』 『スプーンおばさんのゆかいな旅』がある。

それぞれ長い物語ではなく、おばさんが遭遇するエピソードを 一冊にまとめた形で本になっている。 昔話のようでもあり、楽しく生きる現代の知恵でもあり。

みんながどこかで聞いたことがあって、 『スプーンおばさん』というと共通して思い浮かべる イメージがある。 エプロンをした小さいおばあさん、 頭のてっぺんにはおだんごがあって、 やることはパワフルで。

いつかちゃんと読み直そうと思っていたこの本を 急に読みたくなったのは、スプーンおばさんによく似た 人と知り合ったから。その人は、とつぜん小さくなったりは しない…はずなのだけど。たぶん(笑)

おばさんはノルウェーの村に住んでいる。 だんなさんと二人暮しで、子供たちは巣立った後。 でも、だんなさんとそんなに仲良しというわけでも ないし、残念ながら深ぁく理解しあってるわけでもない。 ぜいたくな暮らしはできないけど、毎日家のきりもりをして、 だんなさんを送り出し、家を守るおばさん。 どこにでもあるような、ささやかな 普通の老夫婦の日常。

ただ、おばさんが、ときどき、ひょんなことから、 ティースプーンほどの大きさになって、大冒険をやらかして また元に戻ることを除いては。

あるクリスマスの前、小さくなってしまったおばさんは、 森に住むさびしがりやの女の子に出会い、 待ちかねた人形とまちがわれて、こんな風に言う。

「あたしはね、ねじなんか、じぶんでまける おばさんだよ。」(本文より)

おばさんがフェミニストに人気があるかどうかは 知らないが、おばさんの人気は、どこの国でも 子どもだけじゃなく大人にまで及んでいるにちがいない。

おばさんは、自分では知らないけど、 ほんとうは魔女なのかもしれない。 裏では大変な思いをしていても、 ドアがあいた瞬間、なにごともなかったかのように 台所で湯気につつまれ、スープをまぜているような 女の人は、きっと魔女の遠縁だと思う。 (マーズ)


『小さなスプーンおばさん』 著者:アルフ・プリョイセン / 訳:大塚勇三 / 出版社:学習研究社

2001年11月05日(月) 『夜の翼』

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