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伝説的耽美派作家の館に集う五人の女達。 四年前の彼女の死は本当に自殺だったのか。 気のおけない女性達だけの親しい集まりは 各々が隠し持っていた秘密や疑惑をさらけ出す 緊迫した告発の場に変わってゆく。
恩田陸さん御得意の舞台劇的サスペンス、 全員が故人と遠縁であるか同居人であるのに よくある金銭等をめぐる愛憎劇とちょっと違うのは、 これまた全員がなんらかのモノ書きであるか編集者であり、 各々が書き手としての才能と読み手としての能力を備えた 自立した女性であるためです。
死してなお五人の女性を翻弄する華麗な大女流作家の存在感は、 恩田さんの軽やかなタッチではまだもうひとつ重みが出ませんが、 恩田さんがいつも夢見ている「いつか書かれる大きな物語」が ペンを手にした姿のようです。 大作家をそれぞれの思いで仰ぎ見る後輩達はみんな恩田さんの分身。 重苦しい告発の場で、あるいは酒のさかなに楽しげに、 各々「作家の業」を語ります。
緊張に満ちた場面とくだけて楽しい場面が交互にきて、 お茶やお酒のおともにおすすめの一冊。 でも夜更けに読むと恐ろしい事に。 おなかがすいて必ずなにか夜食を食べたくなる(怖)。
これはそのままで舞台劇になるよね、と思っていたら 芸達者の女優さん六人の映画がもうすぐ公開だそうです。 キャストに鈴木京香さんの名があるのを見て、 クールでゴージャスな静子さんにぴったり、と思ったものの、 歳が足りないし、原田美枝子さんがいるからこちらが静子さんか。 キャストのトップだから京香さんはナチュラルでシャープな絵里子さんかも。 華麗な大作家は浅丘ルリ子さんかな、なるほどー、などと キャストをあてはめるのも楽しいですが、 このメンバーならストーリーを知らないで 映画を先に見るのもいいかもしれない。 普段なら原作を先に読む事をお薦めするんですけどね。(ナルシア)
『木曜組曲』 著者:恩田陸 / 出版社:徳間文庫
2001年09月24日(月) 『ハロウィーンの魔法』
2000年09月24日(日) 『公主帰還』
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管理者:お天気猫や
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