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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2002年08月26日(月) --

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☆アートと本の切れない関係。

20世紀から21世紀へ。 『本と美術─20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックまで』という 展覧会を観てきた。 会場の美術館には、時を経て収束されてゆく 「メッセージ」の亡霊が、ゆらゆらと立ち現れていた。 舞台は紙であり、ときに金属であり、大地であり。

革命活動のスローガンとなった詩の本。 左右のページで、ちがう言葉(人格)が誘う本。 現代美術と遺跡が融合したような聖書のオブジェ。 マエストロたちの版画や筆跡を生々しく伝える豪華本。 空間という丸い芯の通った本。 小さな版画と言葉を突き詰めた、豆本。 詩人の言葉を閉じ込めて澄ましている、からくりめいた機構。 無数のゴミと化した印刷物からのぞく国民性。

いかにも強さを感じさせるものから、繊細なゆらぎに満ちたものまで、 たくさんの「本」という名のものたち。 生まれた瞬間から、世界中で、時代に沿ってその意義を変えつつ、 現在は「かくある」本たちが、こうしてつどっているのだった。 読んでくれ、触れてくれと乞い願う本の「気」が、 ガラスケースを通じて五感を刺激する。

展覧会の最後に、ソファに置いてあった 大竹伸郎の絵本、『ジャリおじさん』福音館書店)を読んだ。 なぜだかハッピーエンドだった。 (マーズ)


『本と美術』(展覧会カタログ) / 発行元:徳島県立近代美術館

2001年08月26日(日) ★夢の図書館ナツヤスミのお知らせ。

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