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1996年から刊行されている、小中学生向け創作怪談のシリーズ。 責任編集は、「松谷みよ子」さん。 と聞くと(お話も一部書かれている)、怪談とはいえ、 安心して読めそうな感じになる。
20冊も出ていて、書店で並ぶと壮観。 よくもこれだけ、とため息が出る。 全部読んでみたいけど、 やはり私としては、 『化け猫レストラン』とか 『魔女のレストラン』、 あるいは 『鏡のうらがわレストラン』などに惹かれる。
レストランということで、 目次はメニュー風になっている。 「学校の怪談」で聞いたような話や、古今東西の昔話やらの要素が 入り混じった、イラスト付きの短編が並ぶ。
思わず、なつかしいなぁと思う。 というのも、小学校のころ、図書館にあった怖い話を、 何度も借りたからだ。 図書館には、いわゆる児童文学の名作が少なくて、 昔話や怖い話のシリーズは、たくさんあった。 子どもにとって、そういう話は、たまらなく興味の対象だった。 今でもこわいくらいなのは、 峠を降りたところで猿の妖怪が、手押しの糸車を じーんじーんと回している場面。 ぶるぶる震えたような絵がまた、怖かったこと。
幼いころ、死を思ったときの、気の遠くなるような恐怖。 身体がしびれるような、あの感覚。
友人たちと共有した、「猿の手」の、帰ってくる死者。
『赤毛のアン』のアン・シャーリーも、「お化けの森」という 自分の想像から生まれた恐怖にはまり、 そこに赤ん坊の幽霊を見て苦闘した。
そういう永遠の「怖いけどやめられない」にテーマを絞った シリーズが、『怪談レストラン』なのだった。 シリーズの案内役、ネットリした目の黒服は、 最も売れているらしい『闇のレストラン』に 登場するキャラクターだそうだ。
怖い思いは、子どもにとって、体験して乗り越えるべき 人生の最初の訓練なのかもしれない。 (マーズ)
『怪談レストラン』
http://www.doshinsha.co.jp/longsaler/restaurant/restaurant_1b.html
『怪談レストラン』 怪談レストラン編集委員会・責任編集:松谷みよ子 / 絵・たかいよしかず・かとうくみこ/ 出版社:童心社(並製本/上製本あり)
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管理者:お天気猫や
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