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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2002年05月21日(火) --

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『わたしのワンピース』

☆ページをめくるよろこび。

この絵本は第1刷の発行は1969年です。 (※何と2001年には第117刷!) だから、多くの方が、かつて、 この絵本とお友達だったかもしれません。

本屋さんの絵本コーナーに、 子どもたちが自由に手にできるよう、 低い棚にディスプレイされていました。 黄緑の縁取りの小さな絵本。 表紙の真ん中に、ミシンをかけているウサギの絵。 いつ頃からか、若葉の色が大好きになって、 洋服も少しずつ、若葉色のものが増えてきました。 新緑の季節、絵本のすっきりとした 黄緑に引き寄せられました。

手にとってページをめくります。

お空から降ってきた白い布を手に入れた ウサギがワンピースを縫います。 シンプルな真っ白いワンピースは、 ページを繰るたびに、 とりどりの自然の喜びに彩られ、 お花のワンピースになったり、 お星様のワンピースになったり、 時に、雨の水玉模様を映したりして、 無邪気な喜びを与えてくれます。

最近、本を買いすぎるので、 その日は、2000円ぐらいと、上限を決めていましたが、 すでに私の手には、4冊の文庫本がありました。 本屋で買おうかどうしようかと、 迷うことは余りないのですが、 その日は上限を決めていたのだから、 どうしようかと、ちょっと考えました。 シンプルなこの絵本は、 ぱらぱらとめくったらすぐに終わりです。 白いワンピースが、 ページごとに風景を映して変化していくだけで。 お話だけでなく、絵柄もすごくシンプルで、 色も単純です。

でも、でも、どうしても、 私を惹きつける何かがあります。 すごくシンプルだけど、 シンプルで単純な線や色に、ほっとするのです。 12色の色鉛筆やクレヨンで、 お絵かきをしたり、ぬり絵をしたり。 そんなことを思い出して、 あたたかな気持になります。 結局、2冊の文庫本を棚に戻しました。 絵本は今、パソコンの側で サラ・ムーンの写真集と並んでいます。

以前、ここで紹介した『クレメンタインの冬じたく』には たくさんの洋服の中から、 着せ替え人形に着替えを選ぶように、 自分の好きな服を選ぶ楽しさがありました。 この「わたしのワンピース」には、 白いワンピースがページごとに、 どんどん変化していくのを見る楽しさが。 どちらも、ぬくもりのある絵で、 子供たちだけでなく、大人の心もなごみます。

絵本には、美しさを愛でる本もあれば、 この本のように、ぬくもりを感じる本、 読む人、描いた人の「体温」が大切な本もあります。 (シィアル)


『わたしのワンピース』 えとぶん:にしまきかやこ / 出版社:こぐま社

2001年05月21日(月) ☆本を売る その(2)

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